2020 Fiscal Year Research-status Report
Software application development to improve gait in a crowd for patients with Parkinson disease and stroke patients.
Project/Area Number |
18K18429
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
冨永 渉 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (30711642)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / ベクション / オプティックフロー / 静止立位 / 筋電図 / 床反力 / 三次元動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バーチャルリアリティ(VR)ヘッドマウントディスプレイを用いた視覚誘導性自己運動感覚(ベクション)を誘発する視覚刺激の提示が、静止立位姿勢に及ぼす影響について明らかにする。さらにベクション刺激がParkinson病患者や脳卒中患者の姿勢に与える影響を調査し、健常高齢者と異なる特徴を明らかにすると同時に、高齢者や障害高齢者の身体機能特性を人間工学や電気生理学的計測によって明らかにし、これらの患者にみられることの多い「人混みの中での歩きにくさ」に対するトレーニングアプリを開発し、障害高齢者の健康寿命延長に貢献することを目的とする。 Parkinson病などの高齢者への使用を想定し、健常者での計測ではベクションを誘発する視覚刺激の提示を3条件設定した。1)通常条件:通常の全視野に映像を提示する、2)視野角条件:左右外側に視覚刺激を提示しない、3)認知負荷条件:全視野の視覚刺激提示に加え、前頭葉機能検査で用いられる「Go No-Go課題」を行う。 静止立位の動揺については、床反力計を用いた足圧中心計測、モーションキャプチャを用いた三次元動作解析、表面筋電図を計測し、各集団による特性を明らかにする。現在、健常若年者23名の計測が終わり、足圧中心では認知負荷条件で最も動揺が小さく、通常条件で最も大きくなることが明らかになった。また、三次元動作解析では、通常条件よりも視野角条件で肩峰の前後動揺が有意に小さくなることが明らかになった。これらの結果は先行研究とも一致し、健常若年者では認知負荷によって静止立位姿勢の動揺が減少すること、周辺視野へのベクション刺激提示が減少することで姿勢への影響が少なくなることが明らかになった。今後は同様の計測・解析方法で健常高齢者の計測準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、非常事態宣言下では実験を中止したことなどにより、大幅に遅れている。現在まん延防止等重点措置が発出されており、本学がある自治体でも陽性者数の報告が増えているため、これらの状況を鑑みて実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、5月末に患者用アプリが納入予定である。健常高齢者の計測については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の動向を見ながら、まん延防止等重点措置が解除される、あるいは、計測にあたる教員や学生のワクチン接種が完了次第、近隣のシルバー人材センターの被験者に依頼をし、9月までに計測を終えることを予定している。その後は12月末までにパーキンソン病と脳卒中患者のデータを10名ずつ記録することを予定している。
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Causes of Carryover |
患者用アプリの開発費支払いが、アプリ納入後のため、現在未払いであるが、5月末に納入予定。
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Research Products
(3 results)