2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of a method for evaluating socio-economic impacts of future vehicles
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18K18437
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70291416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 讓 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20190796) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 未来ビークル / 社会経済インパクト / 交通システム / 評価手法 / 事例調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
未来ビークルのイノベーションは,移動の自由を拡大し,我々の消費・生活スタイル,生産活動や社会インフラなどに様々な影響を与えつつある。日本経済の主役であったビークル産業は、新たな成長経路に向けた戦略が不可欠となっている。本研究の目的は、近未来におけるビークル産業に生じるイノベーションが、地域経済や世界経済に及ぼす影響を評価する方法を開発することである。 本年度は、前年度に引き続き、ビークル産業の現状、将来予測及び関連する国や地方の政策支援等について調査を行い、地域を対象に未来ビークル生産拡大の影響を評価する方法を開発した。 自動車産業が集積している愛知県を対象に、地域内産業連関表を用いて、ビークル関連産業に注目して産業連関分析を行った。ビークル生産部門が、関連する川上産業と川下産業へ及ぼす経済的な影響を、後方連関モデルと前方連関モデルを用いて分析を行った。仮想的抽出法を用いて、乗用車や自動車部品の産業が縮小した場合の愛知県経済への影響を計測した。 次に、愛知県の市町村間産業連関表を推計し、未来ビークルの普及に伴う生産拡大や技術変化が、愛知県の市町村経済に及ぼす影響を地域間産業連関モデルと多地域産業連関モデルを用いて分析した。地域間産業連関モデルでは、仮想的抽出法を適用して、各市町村の自動車部門の縮小の影響を計測した。多地域産業連関モデルでは、豊田市における未来ビークル生産拡大による技術変化が周辺の市町村域経済へ及ぼす影響を計測した。未来ビークル生産拡大がもたらす市町村別の経済効果を明らかにする方法を開発した。自動運転車普及と保険市場の関係を背景として、保険会社の競争的条件の変化が、交通事故外部性と保険価格に与える影響を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
都道府県レベルと市町村レベルの産業連関表を用いて、未来ビークル普及の効果を評価する手法の開発については、おおむね計画通り実施できている。海外を対象としたモデルや分析については次年度進める予定である。研究成果の一部は、日本地域学会、日本環境共生学会、土木学会、米国南部地域学会で報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに、日本全国を対象とした市町村間産業連関表の推計を行い、未来ビークル生産拡大のインパクトを評価する予定である。国際レベルでは、アジア地域を対象に、未来ビークルの技術移転が及ぼす影響を評価する予定である。全国の小地域を網羅した分析には記録容量の大きな計算機が必要となり、このため新たな計算機の導入を検討する。
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Causes of Carryover |
3月に調査や報告会に参加する予定であったが、コロナウィルスの影響をうけて、キャンセルが生じた。次年度の調査費、学会参加費や計算機の導入などに使用する予定である。
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Research Products
(4 results)