2020 Fiscal Year Research-status Report
Does Precision Medicine become patient's saviour?
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18K18439
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
櫻井 しのぶ 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (60225844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 泰三 三重大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30162762)
南 唯公 (中西唯公) 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (50582110)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | プレシジョンメディスン / がんゲノム医療 / 遺伝子パネル検査 / 日米比較 / インタビュー調査 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では最先端のがん治療であるプレシジョンメディスンの現状における問題を患者医療者側の双方から明らかにし、それに関連する要因を探索し、その問題を解決すべく方策として新たなサポート体制を提案することを目的としている。方法は米国と日本のがん治療に関わる医療者(他職種)におけるインタビュー調査から質的分析により実態を浮き彫りにすることを主眼としている。調査対象者は北海道から九州と日本全国に渡り首都圏および地方となるべく偏らないサンプリングで行った。また、米国においてもがんゲノム医療の最先端の病院と米国での一般的な医療の現状を把握するために大学病院と連携しているクリニックから情報収集を行い、米国の一般的な標準化されたがん治療の流れが把握できた。現状は日本政府が進めているゲノム医療推進の方向性において、なかなか実態は追いつかない厳しい状況であることが見えてきた。昨年度から遺伝パネル検査が保険適用となり、医療保健システム上において現場での混乱が見られている状態が見受けられ、研究課題の主要な結果に多くの影響がみられることが判明し、令和元年にて修了予定であった研究期間を延長した。実際に適応が可能となる治療に至るには数パーセントの確率であり、また、その後も遺伝子変容により、効果が持続しなくなる可能性も含めて、医療として新たな問題が浮上してきている。令和2年度はコロナ禍の中で思うようにインタビューが出来ない状況であり、その影響をネットや学会等の情報から医療現場のがん治療の状況を精査している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症拡大により、その後インタビューする予定であった医療従事者とのコンタクトなどが延期を与儀なくされ、また患者団体との接触も難しい状態となってしまい、今年度は調査そのものが足踏みをしている状態である。特にがん治療はこの医療状態がひっ迫している現状において、手術や化学療法の順延や病院への受診の躊躇など多くの問題が発生して医療現場自体が混乱しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
特にがん治療は新型コロナ感染症拡大の収束の目途がたたず、医療状態がひっ迫している現状において、手術や化学療法の順延や病院への受診の躊躇など多くの問題が発生しつつあり、更なる混乱が生じている。期間延長をすることで、現状をきちんと把握してパンデミック禍でのがん治療の脆弱さなども含めてリモートや今までの情報提供者の方達にコンタクトを取り、現状のアップデートを行い、結果を提示する予定である。 医療経済的視点、患者へのインフォームドコンセント、などプレシジョンメディスンの落とし穴を発見し、現在のがん治療の最先端の問題点と本当に患者にとって良いがん治療システムの構築に寄与できるような方向性を示していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大のため、実際の医療現場で活動している医療従事者とのコンタクトを取ることが難しく、実際の調査ができる状況ではなかったため。
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