2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の自立生活を維持する統合的なサービス選択支援システムとその導入方法論
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18K18445
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊福部 達 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 名誉教授 (70002102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大方 潤一郎 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任教授 (60152055)
三浦 貴大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80637075)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | フォーマル・インフォーマルケア / 高齢社会 / 高齢者のニーズ・支援シーズ / ユーザビリティ / サービスデータベース / システム導入方法論 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の3項目における2019年度での進捗を述べる. i)サービス内容データベース(DB)構築のための各種サービスとその組合せ方法の聞き取り調査:高齢者支援に関する領域ごとに具体的な支援内容に関して,国内の代表的な事例について現地・インタビュー調査・アンケート調査を行った.現地・インタビュー調査については,制度に則った支援(フォーマルケア)と特定の支援制度に拠らない独自の支援(インフォーマルケア)の状況について,約10事例ほど調べた.この結果,機関・施設ごとのフォーマルケア・インフォーマルケアの提供方策が異なる点が明らかになった.具体的には,フォーマルケアに特化した施設の場合は,上乗せ・横出しのサービスを追加して選択できるようにしていた.また,インフォーマルケアの提供も行う場合,地域の特性に合わせた各所との連携を行うことで提供していた.現在はこれらの調査結果を共通した事例シートに整理しつつ,高齢者の支援方策について取りまとめている.アンケート調査の側では,服飾やIoTに対するニーズ調査を行った. ii)高齢者に利用可能なサービス組合せシステムの構築:システム構築は,フロントエンドおよびバックエンドの開発に分けられる.本年度は,バックエンド部分に用いるためのデータベース設計に当たり,各種ケアサービス事例の調査を行った. iii)高齢者でのシステム利用評価・推薦パッケージ構築と様々な地域へのシステム導入指針の提案:サービスデータの推薦パッケージ構築に先立ち,本研究計画以前に実施していた高齢者における生活時間調査のデータを分析した.この結果,外出状況や誰かといるかどうかなどで,行動状況や心理状態が大きく異なる点を明らかにした.現在はさらに前後のイベントの影響について分析している最中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画段階では,i)サービス内容データベース構築のための各種サービスの組合せ方法の聞き取り調査が,2019年度にずれ込んでしまった.また,本調査を行ってみて,当初の想定以上にサービス内容が多岐に渡る事が判明したため,追加で数件の調査を行った.このため,ii)高齢者に利用可能なサービス組合せシステムの構築に用いるデータベース部分の開発が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
i)サービス内容データベース構築のための各種サービスの組合せ方法の聞き取り調査:2019年度8月までには終了させる予定であったインタビュー調査は,追加での調査が必要になったため,2月中までかかった.ただし,COVID-19の影響で,数件は断られたため,場合によっては2020年度中に追加で調査を行う可能性もある.現状では,得られた事例を整理し,一種の事例集として取りまとめる.さらに,この事例群をデータベースとして構築する. ii) 高齢者に利用可能なサービス組合せシステムの構築:i)のデータベースができ次第,バックエンド部分に反映させ,既に構築してあるフロントエンドとの接続を行う. iii) 高齢者でのシステム利用評価・推薦パッケージ構築と様々な地域へのシステム導入指針の提案:しかし,i)の遅延の他,COVID-19の影響で評価実験の実施の遅延や,場合によっては実施そのものが困難になる可能性が想定される.その場合は,i)の事例集の結果を元にアンケート調査など,本研究と関連が深い別な調査・実験を行う予定である.
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Causes of Carryover |
サービス内容データベース構築のための各種サービスに関する聞き取り調査に、当初の予定よりも時間を要した。 また、研究の過程で、聞き取り対象とする事業者を増やして事例を収集する必要性があることが明らかになった。そのために時間を要し、研究期間を延長する必要が生じた。 次年度は、引き続き聞き取り調査に要する費用、データの公開に要する費用、研究発表に要する費用を支出する予定である。
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[Journal Article] Design and Implementation of Age-Friendly Activity for Supporting Elderly's Daily Life by IoT2019
Author(s)
So In Kang, Reina Yoshizaki, Koki Nakano, Taiyu Okatani, Akihiko Kamesawa, Daisuke Yoshioka, Jiang Wu, Yuriki Sakurai, Kenichiro Ito, Mahiro Fujisaki-Sueda-Sakai, Ikuko Sugawara, Misato Nihei, Takahiro Miura, Ken-ichiro Yabu, Taketoshi Mori, Tohru Ifukube, Junichiro Okata
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Journal Title
Lecture Notes in Computer Science
Volume: 11593
Pages: 353-368
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] How the Elderly Accept the Concept of IoT as Assistive Technology: Interventional Study of the Attitude to IoT by Workshop2019
Author(s)
Koki Nakano, Yuriki Sakurai, So In Kang, Reina Yoshizaki, Taiyu Okatani, Akihiko Kamesawa, Daisuke Yoshioka, Jiang Wu, Kenichiro Ito, Mahiro Fujisaki-Sueda-Sakai, Ikuko Sugawara, Misato Nihei, Takahiro Miura, Ken-ichiro Yabu, Taketoshi Mori, Tohru Ifukube, Junichiro Okata
Organizer
11th International Association of Gerontology and Geriatrics Asia/Oceania Regional Congress (IAGG 2019)
Int'l Joint Research
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[Presentation] IoTを活用した在宅高齢者のQoLとコミュニティ支援に関する研究2019
Author(s)
伊藤 研一郎, 湖上 碩樹, カン スー イン, 吉崎 れいな, 櫻井 友理希, 中野 航綺, 吉岡 大介, 藤崎 万裕, 菅原 育子, 二瓶 美里, 三浦 貴大, 藪 謙一郎, 森 武俊, 伊福部 達, 原田 昇
Organizer
ヒューマンインタフェース学会 高齢者支援ICT専門研究委員会