2020 Fiscal Year Research-status Report
多分野融合グローバル型アプローチによる後期高齢者慢性浮腫管理用サポータの開発
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18K18449
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
須釜 淳子 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00203307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 下肢慢性浮腫 / 後期高齢者 / 看護理工学 / 圧迫療法 / ウエルビーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会において健康寿命延伸の鍵は歩行能力の維持である。歩行することにより、食・排泄・運動の日常生活が維持され、さらに様々なコミュニティにでかけることで社会的なウエルビーイングの獲得が可能となる。一方、後期高齢者には、活動性の低下に伴う長時間座位の増加、加齢に伴う循環機能・下肢筋力・皮膚張力・栄養状態の低下など、環境・身体要因により下肢慢性浮腫が生じやすい。申請者らは、後期高齢者の歩行機能低下に影響するが、「年だから仕方ない」と本人・家族、医療・介護従事者からこれまで看過されてきた下肢慢性浮腫に焦点をあて、浮腫を軽減するための新たなケアデバイスの開発を行う。 2020年度は、コロナ感染症拡大防止のため、予定していた臨床調査のすべてが実施できなかった。2020年度はテーマに関連する論文執筆、投稿2件、システマティックレビュー1件を行った。論文1件目は、デイサービスを利用し、下肢に慢性浮腫を有する高齢者を対象に、浮腫がもたらす日常生活への影響をインタビューした内容をまとめた。論文2件目は、下肢慢性浮腫発症要因の一つである下腿筋肉のポンプ作用について、若年者、中年者、高齢者を対象にMRIで測定し比較した結果をまとめた。特に慢性浮腫を有する高齢者の日常生活に及ぼす影響を体験者の経験から明らかにした論文は、本申請課題の重要性を改めて実証したものとなった。いずれも国際学術誌に掲載された。システマティックレビューは、下腿浮腫管理に関するケア介入効果について行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、大学附属病院で下肢浮腫を有する循環器内科病棟入院高齢者を対象に、下肢圧迫療法中の循環器負荷ならびに下腿浮腫変化に関する臨床調査を行う計画であった。この計画を遂行するために、医学倫理審査の申請と承認、研究補助にあたる博士後期課程院生の技術トレーニングと研修、診療科の主任教授、病棟医長との調整、看護部長、調査病棟師長との調整が、2020年3月までに完了していた。その後、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学病院における関係者以外の立ち入り禁止が始まり、これが2021年3月まで続いた。このため2020年の実施計画は全く実施できなかった。現在、コロナ感染症の第4波が始まっており、少なくとも2021年度もこの状況が続くと予測される。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年4月1日より研究代表者の所属が金沢大学(石川県)から藤田医科大学(愛知県)に変更した。このため昨年度までに予定していた施設で臨床調査を行うことは、コロナ感染症状況を考慮しても難しいと考える。新たなフィールドの確保が最優先である。確保できた段階で、下腿圧迫力と浮腫変化について症例検討実施について検討を始める。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大防止のため2020年度に予定していた臨床調査が全くできなかった。COVID-19の変異株感染者の急増、代表者の所属施設変更に伴い、調査施設を変更し、かつ研究計画を実行可能性のあるものに修正して、倫理審査を行い研究を進める。
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Research Products
(2 results)