2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a framework to evaluate total health based on gerontology
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18K18456
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
権藤 恭之 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40250196)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 健康 / 高齢期 / 統合的アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに開発された高齢者の健康に関する統合的評価開発の先行研究 を参考にし、高齢期の「健康」の概念構造を明らかにし、評価法を確立することを目的とした。長期縦断調査(SONIC研究Septuagenarians, Octogenarians, Nonagenarians Investigation with Centenarians)のデータセットを整理し基本データを作成した。内訳は、70歳(70±1歳)999名、80歳(80±1歳)957名、90歳(90±1歳)769名であった。 RAW&Kahnのサクセスフルエイジングの枠組みに基づき身体的健康は、慢性疾患および、視聴覚機能の障害の有無、機能の維持は、SPPBおよびMOCAの得点、社会との関りに関しては、仕事もしくはボランティア活動への参加、心理的な健康状態は主観的健康観、WHO-5を用いた。それぞれの測度に複数のカットオフポイントを設定して、健康状態の分類を行った。 その結果、最も厳しい基準(疾患無、視聴覚障害無、SPPB<8,MOCA>25 および仕事もしくはボランティア活動有)とした場合、70歳、80歳、90歳の通過率は、身体的健康で26%, 14%, 6%, 機能の維持で、28%、17%、7%であり、社会的な要因も含めると、サクセスフルエイジングの達成者は、2%,0.7%, 0.1%であった。このことは、年齢が高くなるほどサクセスフルエイジングの達成が困難になるという従来の知見を支持しただけでなく、基準値の設定を見直す必要があること示唆していた。 一方、心理的な健康に関しては、各年齢群80%程度が自らの健康を良いと評価し、WHO-5のカットオフ得点を上回っていた。つまり、80歳、90歳においては身体的な健康が低下と心理的な健康が維持されていることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度、データセットを完成させて分析を終了する予定であったが、大学で作業ができない期間が長く、データ作成と分析に遅延が生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、追跡調査のデータの整理を終え、初回の健康状態が3年後に与える影響を検討する。
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Causes of Carryover |
大学への立ち入りが制限されたことで予定していたデータ整理と分析が進まなかった。遅れた分を来年度で実施する。
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Research Products
(6 results)