2018 Fiscal Year Research-status Report
奄美群島の百寿者がもつ特徴的な腸内細菌叢を指標としたヒト長寿腸内科学への展開
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18K18457
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
森田 英利 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (70257294)
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| Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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| Keywords | 腸内細菌叢 / 長寿者 / 奄美群島 / Bifidobacterium属 / Akkermansia属 / Faecalibacterium属 / Prevotella属 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
徳之島徳洲会病院、名瀬徳洲会病院、喜界徳洲会病院および瀬戸内徳洲会病院のいずれかに通院・入院経験のある奄美長寿者を対象とした。同意を得た44名から採取した糞便を試料として、次世代シークエンサーMiSeqを用いて16S rRNA遺伝子（V3-V4領域）の相同性解析に基づく腸内細菌叢解析を行った。公開されているデータベースを元に、日本人高齢者／長寿者と奄美長寿者との腸内細菌叢を比較し、奄美長寿者の腸内細菌叢の特徴を調べた。
奄美長寿者の腸内細菌叢は、日本の他の地域の高齢者（70-89歳）／長寿者（90歳以上）よりもBifidobacterium属（Actinobacteria門）、Akkermansia属（Verrucomicrobia門）、Methanobrevibacter属（Euryarchaeota門）の占有率が高かった。UniFrac解析の結果、腸内細菌叢の類似性は、奄美長寿者の細菌叢と他の地域の高齢者との間に違いを認めたが、他の地域の長寿者との間に違いは認められなかった。さらに奄美長寿者は、他の地域の高齢者や長寿者と比べて、腸内細菌叢の高い多様性を有していた。Bifidobacterium属、Akkermansia属の占有率の高さおよび腸内細菌叢の多様性の高さは、奄美群島の健康長寿を支える要因である可能性がある。また、日本人の腸内には殆ど存在せず、欧米人に多いと言われているMethanobrevibacter属は、奄美群島の地域性を反映している可能性がある。
奄美長寿者は他の地域の高齢者や長寿者と比べて、腸内細菌叢の高い多様性を有していたが、健康状態の悪化に伴って多様性は減少し、また、健康状態の悪化に伴って、Bifidobacterium属、Akkermansia属、Faecalibacterium属、Prevotella属の占有率が低下した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通りのサンプリングを終え、そのすべての糞便からの細菌由来DNAの精製を行った。次世代シークエンサーMiSeqを用いて16S rRNA遺伝子（V3-V4領域）の相同性解析に基づく腸内細菌叢解析を行った結果、奄美長寿者の腸内細菌叢の特徴を明らかにした。
本研究目的において、順調に進展できている。
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| Strategy for Future Research Activity |
サンプリングした2つの糞便から、3種類の固形培地を用いて生菌分離を行った。63菌株の純化と凍結保存し、そのほぼ全長の16S rRNA遺伝子配列の相同性検索から菌種推定を行った。今後、サンプリングする糞便を増やし、また、生菌分離に成功した個別菌の持つ機能について検討を加えていきたい。
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| Causes of Carryover |
研究の進展が予定より早く進んでいるため、その実験の予算の執行を行った。
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