2018 Fiscal Year Research-status Report
中古語における潜伏疑問文の探索と名詞句の意味記述に関する基礎的研究
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18K18502
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高山 善行 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (90206897)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 疑問文 / 連体ナリ / 中古語 / 動詞「知る」 / 名詞句 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、本研究の最初の年度にあたる。この年度では、研究の目的、研究実施計画に沿ったかたちで、まずは研究態勢の確立を優先的におこなった。具体的には、研究実施に必要となる設備、備品の購入と方法論の検討のための研究打ち合わせ会議の開催、先行研究の把握、確認のための文献調査、本調査を始めるまえの予備的調査をおこなった。以下、順に概要を報告する。 本研究の中核部は、古代語名詞句であり、その分析に資する言語学関係図書、日本文学関係図書を購入し研究室に配置した。さらに、研究打ち合わせ会議でのデータ開示、データ整備等の作業用に携帯型ノートPCを購入した。その他、事務用品を購入し、研究態勢は準備できたといえる。 次に、研究打ち合わせ会議を開催し、文法史、古典文学専門の研究者との情報交換、意見交換をおこなった。方法論に対する厳しい批判を受けて、研究の改善点が見いだせたのは大きな収穫であった。古典文学の研究者からは文学研究の現在の状況をふまえ、本文研究、資料研究、解釈に関する研究等、幅広い情報を入手することができた。また、先行研究の把握、確認のための文献調査を国会図書館本館、国会図書館関西館でおこない、分析をおこなっていく上での重要な情報を得ることができたと思う。本調査のまえにおこなう予備的調査として、上代語の動詞「知る」による構文を調査していたが、その後、平安初期の歌物語作品において追加調査をおこない、データの拡大をおこなった。 以上、この年度の研究実績の概要を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は順調に進んでいたが、2018年秋頃から体調不良(急性腰痛症)を発症し、長時間のデスクワークに制約が生じたこと、同年年末から入試業務が多忙となり、自分の仕事の時間が十分にとれなかったため、中古語の作品を資料とした基礎調査が遅れている。今後、速やかに進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、研究分担者を依頼することを考えている。中古古典文学の研究者に研究分担者となってもらう予定であり、既に候補者からは内諾を得ている。また、データが十分に整うまえの準備段階において、積極的に研究発表をおこない、情報交換を活発にする予定である。予定よりやや遅れ気味であるが、このような方策によって、スピードアップを図りたい。
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