2020 Fiscal Year Annual Research Report
Natural Pause Generation in Conversations by Psychologically Plausible Natural Language Processing
Project/Area Number |
18K18504
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
狩野 芳伸 静岡大学, 情報学部, 准教授 (20506729)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 自然言語処理 / 話し言葉処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一の目的は、より人間に近いモデルを採用することで、人間のように自然な「間」を自動的に生成することである。たとえば人間同士であれば、「お互いに発話しかけて譲りあいどちらも話し始められない」といったシーンがみられるが、既存システム同士ではこれを本質的に再現できていない。また近年の多くの研究では、書き言葉を主眼においている点、統計的手法の隆盛により、書き言葉を前提に大規模データと潤沢な計算資源を用いた処理が行われてきた。一方で人間のほうが高精度であるだけでなく、計算量も少ないであろうことは、古くから心理学的実験により知られている。こうした点を踏まえ、心理学的に妥当なモデルにより解析器を構築する。相槌および会話中の割込タイミングを、この解析器を用いて自動的に推測することを目標とし、その判断基準となる手がかり(特徴量)の発見と分析を行うことが第二の目的である。さらに、こうした話し言葉の解析は、対話システムからSNS投稿や掲示板の書き込みまで幅広く応用の可能性がある。 本年度は、前年度までに構築した音声対話コーパスに対してさらにアノテーションを追加し、与えられた発話情報に対する自動的な相槌のタイミング判定、適切な相槌の種類の推定を行うシステムを実装した。また話し言葉処理の応用として、対話システムの構築と、会話ゲーム「人狼」の自動プレイを行うエージェントの構築、その対戦大会を開催し、主観評価を行った。
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