2018 Fiscal Year Research-status Report
The Narrative Generation of Kabuki
Project/Area Number |
18K18509
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
小方 孝 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (50293436)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | 歌舞伎 / 物語生成 / 芸能情報システム / ストーリー / 綯い交ぜ / 尽し / 役者 |
Outline of Annual Research Achievements |
The author has surveyed and analyzed the elements and techniques in kabuki from the viewpoint of narrative generation, in particular in the framework of a Geino Information System (GIS) with an Integrated Narrative Generation System (INGS). The objective is to select two kabuki elements, person and story, and two kabuki techniques, naimaze and tsukushi or zukushi, to consider their combinatorial, or multiple, usage. As a result, the author presents an example that contains the automatically generated and edited descriptions of an actor, the synopses of two works, and a scenario edited using the techniques of naimaze and tsukushi. This example corresponds to a story in a certain point of time in the circular process of GIS with INGS.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画においては,初年度において物語生成の観点から歌舞伎の多重構造要素を摘出,全般的に調査を行うこととしていたが,本年度において15の多重的要素及び2の他のカテゴリー要素を摘出し,それら全般に関する調査・研究を行った(これらの要素は,以下の通り― (1) real incident, (2) work, (3) genre, (4) material or topic, (5) person, (6) story and plot, (7) actor and place, (8) time (era or age), (9) style (form or pattern), (10) theatre (stage and seating), (11) audience, (12) text, (13) production of scenario (daichō), (14) direction, and (15) stage performance. Moreover, (16) tsukushi or zukushi and (17) naimaze) さらに,本年度においては,特に上記5,6,16,17の要素を対象に,それらを物語生成の技法や方法の観点から捉え,個々のシミュレーション及び全体を結合したシミュレーションを試みた. 以上から,当初の予定通りに進展している部分をベースに,特に後半のシステム化について,当初の計画以上に進展していると言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
1.歌舞伎の17の要素についての全般的調査を行ったが,今後はこれをより深化させ,また物語生成としての統合的な方向に近付ける.具体的には,各要素の文献研究を進め,さらに実地フィールドワークとして役者の演技や劇場の観察と記録などをより組織的に行う. 2.昨年度においては,人,ストーリー,綯い交ぜ,尽しの要素について,物語生成の観点から検討を行い,最終的にそれぞれのシミュレーションと統合的なシミュレーションをCommon Lisp言語を用いて行ったが,今後はこれをより汎用的な物語生成システムである「統合物語生成システム」の枠組みに組み込む.さらに,より多くの要素をシミュレーション対象とする. 3.歌舞伎の研究書の調査ではなく,歌舞伎の作品そのものの調査を行う.一つは,実際の劇場での上演のフィールドワークであるが,もう一つは,本としてまとめられている歌舞伎の脚本(台帳)の読書及び調査であり,大正から昭和にかけて発刊された春陽堂発行の歌舞伎脚本全集も調査対象とする. 4.筆者の研究体系において,歌舞伎は「芸能情報システム」と呼ばれるシステム構想の基幹を成す対象であるが,歌舞伎研究の進展と連動して,この芸能情報システムのデザインをより具体化させる作業に着手する.研究計画書にも述べたように,芸能情報システムは上記統合物語生成をその中に含むより統合的なシステムであるので,この4の作業は上記1の作業との連動において進められる.
|
Causes of Carryover |
初年度においては,歌舞伎研究項目の一般的な文献・資料調査やメジャーな劇場のフィールドワークが主体であり,またシステム開発等に使用するPC等機材は既存のものを利用したため,総体として当初の予算計画を下回る結果となったが,今後は,継続的に文献・資料の拡大(映像や音声資料にも拡張),劇場等フィールドワークの拡大(地方の地芝居や人形浄瑠璃,能など関連ジャンルへの拡張を含む),鑑賞や開発に関わるPC等機材,さらに資料調査や研究に関わる学生等アルバイト要員への謝金など,初年度を上回る範囲と規模の予算が必要となる.,
|
Research Products
(8 results)