2020 Fiscal Year Research-status Report
冠詞と複数形語尾の使い方がわかる英和辞典の開発:名詞的名詞と動詞的名詞を基に
Project/Area Number |
18K18510
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
日木 満 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (10238280)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 名詞形 / 動詞的名詞 / 名詞的名詞 / 英和辞典 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な成果の発表は、英語の名詞に関して、冠詞と複数形語尾の使い方がわかる英和辞典の提案である。それに向けて以下を行った。 1)辞典の基本フォーマットの試作版(名詞形テーブル)を構築した。そのフォーマットは、まず左右に、動詞的名詞(vN)と名詞的名詞(nN)に大別し、名詞的名詞はさらに[N], [an/the/one's N], [the/one's Ns]に分け、次に上下に、統語環境別(主語、動詞の目的語、前置詞の目的語、補語、など)に分けた。 2)試作フォーマットを使って、約100語の基本名詞の情報を入力した。基本的にはLongman 英和辞典とOxford Advanced English Dictionary (9th ed.)の2辞典の情報を用いたが、例文数が少ない名詞の場合は、他の辞書から例文を集め入力した。 3)入力された試作版フォーマットのデータを考察した。名詞により、動詞的名詞 と名詞的名詞の散らばり具合や統語環境が一律でないことが判明した。とりわけ、日本語訳が同じ、モノの様態が同じ、構文が同じであるということは、同じ名詞形の使用を期待させるが、実際にはおうでないケースも多々あることがわかり、注意喚起する意味で、同訳リンク(relation/relationship)、同類リンク(picnic/hiking)、同構文リンク(in place/in the place)などのリンクを張ることにした。 4)試作フォーマットの問題点(見やすさ、分類のしやすさ、など)を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試作フォーマットへの入力に際し、動詞的名詞か名詞的名詞か分類しにくい例があり、その処理の検討に時間がかかっている。動詞的名詞と名詞的名詞の区別は、本研究の要の部分であるので、慎重に検討を続けている。 コロナの関係で、研究助手(パート)と対面で打ち合わせや作業をする機会が思うようにもてず、入力作業が半分程度しかできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度になるため、当初の目的である、冠詞と複数形語尾の使い方がわかる英和辞典の提案がウェブ上でできるようにしたい。そのために、まず、動詞的名詞か名詞的名詞か分類しにくい例をどのように処理するかの方針を固めたい。次に、試作版フォーマットの問題点の検討を受けて、最終フォーマット(名詞形テーブル)を確定し、データの再入力作業を行う。データ入力後、web上の辞書の利点を生かした各種リンク(同訳リンク、同種リンク、同構文リンク、など)を張り、学習者に注意喚起を促せるような辞書にしたい。また、昨年度来の課題である、[N1 of N2]の構文における動詞的名詞か名詞的名詞の組み合わせによる意味の違いについての分析も目途をたてで、辞書内に取り込みたい。 web上で公開できるようにホームページの作成にも取りかかりたい。
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Causes of Carryover |
当初の予定では学会発表を予定していたが、コロナの影響で計画・出張ができなかったため。また、ネイティブインフォーマントと議論の上、例文作成を依頼する予定であったが、対面での打ち合わせが困難になったため、その点でのデータ収集ができなかったため。
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