2022 Fiscal Year Research-status Report
冠詞と複数形語尾の使い方がわかる英和辞典の開発:名詞的名詞と動詞的名詞を基に
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18K18510
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
日木 満 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (10238280)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | 名詞形 / 名詞的名詞 / 動詞的名詞 / 冠詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題(冠詞と複数形語尾の使い方がわかる英和辞典の開発:名詞的名詞と動詞的名詞を基に)の基礎となる、「名詞的名詞」と「動詞的名詞」の概念について、その定義と必要性・利点を、JACET英語辞書研究会(2023年3月18日)にて発表した。発表題目と要旨は以下の通り。 (題目)名詞的名詞(nN)と動詞的名詞(vN)を区別する英語辞書の構想 (要旨)英語で名詞を使うときにはその文脈・意図にあった適当な名詞の形(名詞形)を選択する必要がある。主な名詞形には、冠詞(無/a/the)、人称代名詞の所有格(one‘s)、複数形語尾(-s)の有無により7つある([N] [an N] [the N] [one’s N][Ns] [the Ns] [one‘s Ns])。今まで名詞形を考える上で、まず考えなければならないのは、その名詞がその文脈の中で可算 [Countable]か不可算[Uncountable]か、を判断するように言われてきたように思う。実際、辞書で名詞を引くと、まず語義(意味)と可算性[C, U, Pl.など]がセットで示されている。しかし [C, U]のように併記されることが多く、CかUかよくわからず悩む場面が多い。本発表の主張は、名詞形を考える上で、CかUかを考える前に、まず、「名詞的名詞(nN) 」か「動詞的名詞(vN) 」かの判断をする必要があり、CかUかの判断が関係するのは、名詞的名詞(nN)の場合に限られる、というものである。もし、この主張に正当性があれば、辞書の記述もそれに合わせて、まず、nN(名詞的名詞)とvN(動詞的名詞)を区別して表記する必要があると考える。発表では、[C][U]だけで名詞形を考えることの問題点を指摘した上で、名詞的名詞(nN)と動詞的名詞(vN)はどのような名詞を指すかを説明し、その区別をすることの利点と思われることを論じたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の核心部分である「名詞的名詞」と「動詞的名詞」の識別において、冠詞も所有格も複数形語尾もつかない名詞形(いわゆる「裸名詞」)の部分について、名詞的名詞とみるべきか、動詞的名詞とみるべきかの見極めがむずかしい部分があり、そこでの思考に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度となるため、上記の課題(裸名詞の見極め)の解決も含め研究を進め、成果を学会発表、ならびに論文に投稿したい。 最終年度に入り、週に1回のペースでネイティブインフォーマントの協力を得て、「名詞的名詞」と「動詞的名詞」の区別がネイティブスピーカーの直感にもあったものかを検証している。前期中に理論的な枠組みはある程度確定させ、後期の前半に辞書のフォーマット作りに着手し、年度内中に辞書のサンプルを作成したい。
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Causes of Carryover |
ネイティブインフォーマントの確保ができず、名詞的名詞と動詞的名詞の区別についての確認作業が思うように進まなかったため。最終年には週1回のペースでネイティブインフォーマントとの研究を進める予定。
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Research Products
(1 results)