2018 Fiscal Year Research-status Report
Neural substrate of linguistic intuition and its plasticity in neuralfeedback.
Project/Area Number |
18K18512
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
時本 真吾 目白大学, 外国語学部, 教授 (00291849)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 脳波 / メタ認知 / 発生源推定 / Effective connectivity / ニューロフィードバック / ディフォールトモードネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,言語的直観の一貫性・可塑性を多チャンネル脳波測定による神経科学的手法によって検証し,計算理論としての言語理論とアルゴリズムならびに生物学的実装の関係について共通の指標・概念を提供することで,領域横断的な言語研究の創発を促すことである。理論言語学では一般に個人の言語的直観は一貫していると仮定する。しかし,Carroll et al. (1981, Language)は英文に対する真偽・適格性判断を母語話者に求める際に,眼前に鏡を置くことで話者が自身の判断に自覚的になると判断が組織的に変化することを示した。言語理論家が微細な言語事実を多く明らかにしてきたことはもちろんだが,ある文についての適格性判断が言語規則・制約からどのように導かれるかは不明で,このことが言語学と心理学・神経科学等の言語関連科学との間に大きな溝を作ってきた。本研究では,Carroll et al. (1981)の実験を日本語話者について再現し,言語的直観を左右する神経活動を脳波計測によって特定することを意図している。さらにニューロフィードバックによって話者の神経活動を操作し,神経活動と言語的直観の相関・因果関係を考察する予定である。
初年度は、脳波計のチャンネル数を増設し、64チャンネル脳波計によって新たな実験を実施するとともに、過去に行った実験データについて再解析を行い、統語的制約と作動記憶容量個人差の関わりを考察した。研究成果の一部は今年度, Organization of Human Brain Mapping 2019 Annual Meetingで発表の予定で、学術誌への投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は、脳波計のチャンネル数を増設し、64チャンネル脳波計によって新たな実験を実施するとともに、過去に行った実験データについて再解析を行い、統語的制約と作動記憶容量個人差の関わりを考察した。研究成果の一部は今年度, Organization of Human Brain Mapping 2019 Annual Meetingで発表の予定で、学術誌への投稿準備中である。
また現在、新しい実験実施のために実験刺激の作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、前半に予備実験により実験刺激を十分に統制し、本実験に取りかかる予定である。実験刺激は日本語文の音声とし、音声刺激内に含めたevent markerにtime-lockした事象関連電位、ならびに事象関連スペクトル摂動、試行間位相同期の解析から始め、ダイポール推定による発生源推定へと進む。ダイポールクラスタにおける事象関連電位、ならびに事象関連スペクトル摂動、試行間位相同期の解析を終えた後、ダイポールクラスタ間の相関ならびに因果関係の解析へと進む計画である。
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Causes of Carryover |
本研究では、多チャンネル脳波計による脳波計測によって空間的解像度の高い脳波解析を行うことを想定し、脳波計ならびに脳波計測用アクティブ電極の増設を計画していたが、他の競争的研究資金により脳波計の増設が可能となった。そこで、本研究課題の資金の一部を第2年度でのデータ解析について、研究分担者の追加、また計算機技術者の技術援助を受けるために繰り越すこととした。
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Research Products
(4 results)