2018 Fiscal Year Research-status Report
Reconstruction of migration, kinship and marriage system based on the high efficiency isotope analysis of ancient human teeth
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18K18529
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
舟橋 京子 (石川京子) 九州大学, 比較社会文化研究院, 講師 (80617879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米元 史織 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (40757605)
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
中野 伸彦 九州大学, 比較社会文化研究院, 講師 (20452790)
仙田 量子 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50377991)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
小山内 康人 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (80183771)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 古人骨歯牙 / Sr同位体比 / 考古学的分析 / 湧水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、古人骨歯牙の超高精度同位体分析に基づく人の移動と親族・婚姻関係の解明を行うため、分析機器の整備、分析資料の作成および分析作業を行った。本年度の前半は学内における研究施設移転のため、分析機器の移設に伴う調整期間が必要であり分析作業を行うことが出来なかったため、既分析データに基づく執筆活動を行った。本年度の後半は実際の古人骨の分析作業を行うとともに遺跡周辺湧水の分析準備作業を行った。 前半は既分析試料に関する執筆を行った(舟橋京子・米元史織2018「古人骨から復元する金井の人々」『考古学ジャーナル』712、舟橋・米元2019「人骨の謎を探る」『古墳人現る』、Shiori Yonemoto et al. 2018. The Strontium analysis on the human skeletal remains from the Emeelt Tolgoi Site and Bor Ovoo Site in Bayanhongor, Mongolia. Excavation at Emeelt Tolgoi Site.) 遺跡出土古人骨歯牙の分析作業に関しては、福岡市博多遺跡出土弥生時代人骨のクリーニング・試料の採取・実体顕微鏡による事前観察により試料化の作業を行い、MC-LA-ICP-MS(レーザー溶出型二重収束型高分解能ICPマルチコレクタ質量分析装置)を使用した分析を行った。歯牙Sr同位体比の分析結果に関する読み取り作業は終了しており、現在考古学的情報を収集・分析中であり、考古学的分析終了後直ちに論文執筆・投稿作業を行う予定である。 遺跡出土人骨Sr同位体比データとの比較のために必要な、遺跡周辺湧水の分析準備のための方法論に関するミーティングおよびサンプル採集地の選定、サンプル採集用・分析器具の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の前半は学内における研究施設移転のため、分析機器の移設に伴う調整期間が必要であり分析作業の開始が遅れた。加えて分析機器の調整が終了し分析可能になったあとも、本研究の良好な試料になる北部九州弥生人骨資料の発掘調査が相次いだため、分析に必要な時間を十分に確保することが出来なかった。 ただし、湧水の分析準備や考古学的分析作業が終了次第論文執筆が可能な分析データの蓄積および既分析済みのデータに関する執筆活動は行えており、研究に一定の進捗は認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、遺跡出土人骨歯牙および遺跡周辺湧水の採取・Sr同位体比分析を行う。 当初の予定通り下記の項目に絞って分析・議論を行う。 a)歯牙の観察:(舟橋・米元)、b)遺跡周辺湧水の採取(田尻・仙田)、c)同位体分析(足立・中野・仙田・小山内・米元・舟橋)、d)考古学的事象と86Sr/87Sr値の検討(舟橋・米元・田尻)、e)形質人類学的情報と86Sr/87Sr値の検討(米元・舟橋)、i)歯冠計測値を用いた血縁者の推定と86Sr/87Sr値の検討(舟橋)。 初年度分析の始動が遅れたため、悉皆的に分析を行うのではなく、異なる基盤地質の遺跡にターゲットを絞って分析を進めていく。 2020年度に総括が行えるよう、2018年度・2019年度分析試料に関しては2019年度中に論文投稿ないしは学会発表を行う。
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Causes of Carryover |
分析作業の開始が当初より遅れたため予定していた分析作業・分析データの処理作業に伴うガス代・人件費および論文執筆に伴う外国語校閲に関わる費用を使用しなかったため。
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