2021 Fiscal Year Research-status Report
The Statehood of Modern Japan in the Context of East Asia; For Theoretical Reorganization of Public Law in Contemporary World
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18K18552
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小畑 郁 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (40194617)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 公法学 / statehood / 近現代日本 / 国際公法 |
Outline of Annual Research Achievements |
戦後日本のstatehoodの境界問題として最重要の問題であった朝鮮との関係では、国籍問題を含めた「在日」の取扱いの問題について、引き続き文献・資料を渉猟・検討し、一定の研究成果を発表した(「日本における『難民』受入れをめぐる規範意識のこれまでとこれから」難民研究ジャーナル11号(2022年)50-63頁など)。さらに、それを、現代につながる戦後日本外国人法史のなかで位置づけなおす作業の一環として、むしろ、70年代後半に本格的に展開することになった、「定住外国人の人権」を批判的に検討し、研究成果を発表した(戦後日本外国人法史のなかのマクリーン『判例』」法律時報93巻8号(2021年)81-85頁など)。 また、戦争末期から戦直後(占領初期)にかけての、日本のstatehoodの再編成をめざす思想状況と公法学への影響を明らかにするため、田畑茂二郎の同時期の著作の思想的文脈を含めた検討を引き続き行った。とくに1949年に発表された「国際法の国内法への『変型』理論批判」を、国民の自律的決定の尊重の要請と国内に浸透する国際法的規律とを両立させようとする試みと評価した(〔判例批評・ダンチッヒ裁判所の管轄権事件(常設国際司法裁勧告的意見1928年3月3日)〕『国際法判例百選〔第3版〕』(2021年9月)92-93頁など)。 さらに、「平和構築」によって作られる国家もそれほど珍しくない現代世界をみたときに、たとえば戦後日本のstatehoodは、どれほど特殊なのか、という問題意識から、いわば国際社会の「原子論モデル」(等質の互いに自律的な国家が距離を保ちながら併存する状態)に依拠する近代的思考枠組みとは異なる枠組みで、現代(国際)公法学を記述することは、どのように・どれほど可能か、体系構築の試みを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一般的に、以下のように、コロナ禍によって遅れが生じている。 日本の戦直後の状況を、一次資料によって明らかにするためには、国立国会図書館およびその憲政資料室に所蔵されている資料を徹底的に渉猟し、検討する必要があり、そのためだけに、東京に3日ほど、数次にわたり出張したいと考えていた。ところが、コロナ禍で、都道府県をまたぐ出張を自粛しなければならない期間が長くつづき、また、国立国会図書館の利用制限もあり、この計画は全く実施できなかった。 また、田畑茂二郎の戦直後期の社会・政治活動の全貌を明らかにするために、京都へ同じく3日ほど、数次の出張を計画していたが、これも図書館・資料館の利用制限や、移動の「不急」性から、全く実施できなかった。 さらに、最終的には、とりわけ韓国の研究者および中国・ヨーロッパに本拠をおく研究者を招き、国際ワークショップで、これまで研究を報告し、レヴューをうけることを計画し、その準備および意見交換のために、海外出張を計画していた。しかし、コロナ禍で、とくに短期の出張は事実上不可能になったため、全く実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最大800文字(1600バイト)、改行は5回まで入力可。ただし、一時保存の際は1600文字(3200バイト)まで入力できます。 (全角文字は2バイト、半角文字は1バイトと換算) 刊行資料および公法学の書籍の購入を早めにかつ積極的にすすめる。 多くの大学図書館が学外者の訪問利用を制限していることから、資料収集ということでは意味が大きくないが、関連研究をすすめている国内研究者との交流をすすめるために、国内出張を積極的に計画し、実施する。 ヨーロッパからの研究者の招聘、ヨーロッパへの出張は、ロシアのウクライナ侵略後の航空運賃の高騰などから、合理的だとは考えられないため、出張先や招聘元として、日本やアジア研究が盛んなオーストラリアないし韓国を真剣に検討し、計画的に実施する。 最終年度であることを常に意識し、研究成果をレジュメや原稿の形で残すことに努め、直ちに発表しないとしても、発表の機会を積極的に探っていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって、外国人を招聘してのワークショップ開催、その準備のための外国出張、日本国内(東京・京都)での資料渉猟・収集のための出張が全く実施することができなかった。 国内出張を積極的に計画・実施し、次年度に外国出張が可能・適切となった場合には、1度は計画して実施したい。刊行資料お よび公法学の書籍の購入を早めにかつ積極的にすすめ、出張が制限されている期間でも研究が継続できるような体制を確保する。
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Research Products
(6 results)