2019 Fiscal Year Research-status Report
A Comprehensive Study on the Legal Protection and the Use of Human Body's Information
Project/Area Number |
18K18554
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
甲斐 克則 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80233641)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 医療情報 / 人体組織 / 人体構成体 / 人体情報 / ゲノム編集技術 / 生命倫理と法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、編著として、甲斐克則編『医事法講座第9巻 医療情報と医事法』(7信山社・2019年6月)を刊行し、研究テーマに関する大きな成果を上げることができた。本書の中で、甲斐克則「医療情報と医事法」と題しる論文(pp.47-71)を公表した。 論文として、甲斐克則「人体組織・人体構成体・人体情報の法的地位とその利用をめぐるルールづくり」大曽根寛=森田慎二郎=神奈川めぐみ=小西稽文編『福祉社会へのアプローチ[上巻] 久塚純一先生古稀祝賀』(pp.289-315)(成文堂・2019年5月)を公表した。これh、まさに本研究が追求する問題解明の大きな成果である。 また、甲斐克則編『医事法研究 創刊第1号』を刊行し(信山社・2019年11月)、その中で、甲斐克則「医事法の基本原理――刑法の立場から」(pp.1-15)を公表した。これは、医事法の基礎理論を構築するうえで、大きな寄与となるであろう。 さらに、特筆べきは、2019年8月4日~8日にかけて早稲田大学にて日本で初めて第25回世界医事法会議(World Congress on Medical Law)を開催し、program chairとして企画・運営をしたほか、「Regulatory Science and Medical Law」と題する報告もした。世界の52の国と地域から260名余りが参加し、大きな成功を収めた。 その他、「ゲノム編集技術をめぐる生命倫理と法」と題して、「世界生命倫理デー:第4回記念セレモニー」(東京医科大学病院)で記念講演を行い、研究成果を広く公表した(2019年10月)。ゲノム編集技術をめぐるルール作りは、喫緊の課題であり、日本のルール作りに貢献するであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、編著として、甲斐克則編『医事法講座第9巻 医療情報と医事法』(7信山社・2019年6月)を刊行し、研究テーマに関する大きな成果を上げることができた。本書の中で、甲斐克則「医療情報と医事法」と題しる論文(pp.47-71)を公表した。 論文として、甲斐克則「人体組織・人体構成体・人体情報の法的地位とその利用をめぐるルールづくり」大曽根寛=森田慎二郎=神奈川めぐみ=小西稽文編『福祉社会へのアプローチ[上巻] 久塚純一先生古稀祝賀』(pp.289-315)(成文堂・2019年5月)を公表した。これh、まさに本研究が追求する問題解明の大きな成果である。 また、甲斐克則編『医事法研究 創刊第1号』を刊行し(信山社・2019年11月)、その中で、甲斐克則「医事法の基本原理――刑法の立場から」(pp.1-15)を公表した。これは、医事法の基礎理論を構築するうえで、大きな寄与となるであろう。 さらに、特筆べきは、2019年8月4日~8日にかけて早稲田大学にて日本で初めて第25回世界医事法会議(World Congress on Medical Law)を開催し、program chairとして企画・運営をしたほか、「Regulatory Science and Medical Law」と題する報告もした。世界の52の国と地域から260名余りが参加し、大きな成功を収めた。 その他、「ゲノム編集技術をめぐる生命倫理と法」と題して、「世界生命倫理デー:第4回記念セレモニー」(東京医科大学病院)で記念講演を行い、研究成果を広く公表した(2019年10月)。ゲノム編集技術をめぐるルール作りは、喫緊の課題であり、日本のルール作りに貢献するであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、前年度までの研究成果をさらに著書や雑誌で公表する予定である。具体的には、次のような計画である。 第1に、ドイツおよび中国におけるゲノム編集技術の法規制の動向をまとめて雑誌に公表し、併せて日本におけるルール作りに関してまとめ、雑誌に公表する。すでに準備はできている。ドイツと中国については、すでに別途現地でヒアリング調査を終えており、その成果も取り入れたい。日本でも、内閣府の総合科学技術イノベーション会議の生命倫理専門調査会の委員としてルール作りに関わっているが、基礎研究に関する倫理指針はすでに完成し、あとは臨床応用に関する法的ルール作りが残っている。自己の研究成果をそこに反映させたい。 第2に、ドイツや台湾の議論状況を参考にして、バイオバンクに関する法的枠組みについて研究し、ルールを呈示する予定である。再生医療の発展を促進するためには、バイオバンクの法的制度化が不可欠であり、この問題に力を入れたい。そのためには、北欧の制度をもっと調べる必要がある。 第3に、人体情報と法規制について研究成果を著書にまとめる予定であり、すでに準備を始めている。 以上の柱を中心に、人体情報の法的位置づけを明確にし、今後のゲノム研究を含めたゲノム情報社会における人体構成体の保護と利用について、日本におけるルール作りの提言を行う方向で研究を進める予定である。そのためには、異分野の専門家との意見交換もより一層充実させていく必要がある。
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Causes of Carryover |
年度途中で洞不全症候群で倒れ、緊急入院し、緊急手術をしてペースメーカーを体内に装着したため、予定していた海外調査の一部が実践できなかったため、予算執行が十分にできなくなった。
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Research Products
(6 results)