2020 Fiscal Year Annual Research Report
Economic Analysis of Uncertainty and Firm Growth
Project/Area Number |
18K18567
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
大山 睦 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (20598825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 万理 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (70792688)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 不確実性 / 企業成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1) 取引ネットワークと予測のエラーの関係、(2) 取引ネットワークとショックの伝播、(3)企業の予測方法とパフォーマンスに関する研究を進め、研究成果をもとに、研究報告、論文執筆、論文公刊を行なった。(1)については、昨年度構築した取引ネットワークと不確実性のデータベースをもとに理論と実証の両面で分析を行ない、興味深い結果を得た。具体的には、(a)取引相手数が増えるにつれて予測のブレが小さくなる、(b)予測のエラーは企業自身の不確実性だけでなく、取引相手の不確実性に依存する(c)マネジメントの質が良いと予測のブレを減少させるなどを挙げることができる。これらの研究結果の一部は(独)経済産業研究所や北海道大学で報告した。(2)については、産業レベルでの分析を行い、ネットワークの中心性の分布とショックの伝播の関係を分析した。主な分析結果は、ネットワークの中心性の分散が大きくなるにつれて、伝播するショックが増幅することである。これらの分析結果をTDB-CAREEのディスカッションペーパーにまとめた。(3)については、分担者が中心的な役割を果たして、研究を進めた。どのような企業の特性が予測に影響を与え、その結果、どのように企業の経済活動や収益性に影響を与えるのかを分析した。(a) 企業のGDP に関する予測は,資本投資や雇用などの投入物や売上成長率と正に連動している、(b)企業のGDP の予測が正確であるほど、その企業の収益性は高いなどの結果を得た。この研究の研究成果物として、国際学術誌(Journal of Monetary Economics)に論文を公刊した。また、不確実性に関する政策効果と企業行動を分析するために。小規模企業を対象にしてサーベイを実施した。本年度は、研究結果を成果物としてまとめることに注力し、研究報告、論文執筆、論文公刊を精力的に行なった。
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Research Products
(6 results)