2019 Fiscal Year Research-status Report
Creation of Computational Theory of Social Change: Renovation of Theories of Social Change by Computational Social Science
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18K18588
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 嘉倫 東北大学, 文学研究科, 教授 (90196288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 豊 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (00348905)
武藤 正義 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (00553231)
浜田 宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (40388723)
永吉 希久子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50609782)
瀧川 裕貴 東北大学, 文学研究科, 准教授 (60456340)
関口 卓也 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (70780724)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 社会変動 / 計算社会科学 / エージェント・ベースト・モデル / ビッグデータ解析 / 自省性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はプロジェクト2年目であり、計算社会変動論の構築を実質的に進めた。具体的には次のような知見を得ることができた。 (1)A. Goldberg and S. K. Stein, 2018, "Beyond Social Contagion: Associative Diffusion and the Emergence of Cultural Variation"等を参照しながら、社会変動に潜む意味理解に対する計算社会学的基礎付けを行った。(2)Twitterにおけるコミュニティの政治傾向によって、参照するメディアが異なり、右派コミュニティでは他のコミュニティと異なりオンラインメディアが多用されていることがわかった。(3)交換保存則を満たしつつ資源交換を反復するシミュレーションから解析的な確率分布(ボルツマン=ギブス分布)を導出する方法が分かった。(4)個人の意見が、先行する意思決定者の意見を参照しながら逐次的に決定される場面をモデル化した。他者の意見を基にした自身の結論の導き方が個人によって異なる場合、それらがどのような混合比で分布しているときに、集団としての最終的な意思決定の精度が最も高くなるかを分析した。(5)個人の意思決定の精度を高めるためにはコストがかかり、その大きさが各議題によって異なる場合に、合理的な個人はコストを払ってまでも意見の精度を高めるかどうかを分析した。集団が採用している意思決定ルールを所与のものとして均衡解を求めたところ、集団の意思決定ルール次第で、精度を上げるためのコストが高い議題にもコストを払う確率が高くなることがわかった。また、各議題が逐次的に現れる場合についても分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主な研究活動は次の3つである。(1)2019年6月に海外共同研究者であるピーター・ヘデストロームとサラ・バルデスの所属するリンショーピン大学分析社会学研究所を訪問し、研究発表をするとともに情報交換をした。(2)2019年11月に九州大学で研究会を開催した。(3)2020年2月に東北大学で研究会を開催した。 これらの研究会を通してプロジェクト・メンバーが自らの研究を推進するともに、班の間の情報交換を進めることができた。その結果、本年度の活動はおおむね順調に進展したと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度なので、プロジェクト全体としての研究成果をまとめて報告書を作成する予定である。 研究会は3回程度開催する予定だが、新型コロナウイルスの感染状況によっては(効率性はリアルな会議よりも落ちてしまうが)テレビ会議に切り替えることも検討している。 またプロジェクトの研究成果を世界に問うために国際ワークショップを開催する。
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Causes of Carryover |
2020年度は最終年度なのでプロジェクト終了を記念する国際ワークショップを開催することにした。このために今年度は予算を節約し、翌年度に回すことにした。
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Research Products
(12 results)