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2018 Fiscal Year Research-status Report

多文化社会の構造と主観的格差の関係についての実証研究

Research Project

Project/Area Number 18K18589
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

横溝 環  茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (20733752)

Project Period (FY) 2018-06-29 – 2021-03-31
Keywords格差 / 主観的 / PAC分析 / 多文化社会
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、多文化共生の対象を国籍や民族に限定せず、個人の感じる主観的格差を多面的、流動的、重層的に解釈していくことで、多文化社会に対する新しい指針を示していくことを目的とする。
格差に関する多くの研究は経済的な基準により格差を捉えている一方で、幸福に関わる研究では、経済的格差は幸福の決定因の一部に過ぎないことが示されている。そこで、今年度は、多くの研究において経済的弱者であると位置づけられていた「ひとり親」の子どもに焦点を絞り、彼(女)らの主観的格差を探っていくことを目的とした。
調査協力者は「ひとり親」の子ども(16歳~26歳)7名で、調査方法はPAC分析を用いた。本研究の着眼点である「顕在化しにくい格差を浮き彫りにする」「主観的格差・格差間の関わりを重層的に捉える」「『社会的弱者』という“枠(ラベル)”を可視化・不可視化することに伴う心理を検討する」を踏まえた上で、あえて「格差」と言う言葉は用いず、以下のような刺激文を作成した。「あなたは、どのような時に、自分は“恵まれている”“有利である”“強い立場にある”と感じます/感じましたか。反対に、どのような時に、自分は“恵まれていない”“不利である”“弱い立場にある”と感じます/感じましたか。頭に浮かんできたイメージ・ことば・場面などを、思い浮かんだ順にカードに記入してください。」さらに、PAC分析終了後、顕在化されたデータをもとに、何を格差と捉えたかについて語ってもらった。
調査結果の外枠としては、「ひとり親」といってもその内実は多様であり、「ひとり親」の子どもが必ずしも「ひとり親」であることを意識し、経済的格差を感じているとは限らないとうことが挙げられる。枢要については、これから分析を進めていく。今後は、格差を感じる要因およびレジリエンスとの関わりも含め調査を進めていきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

(1)PAC分析の刺激文を作成するのに時間を要した。その理由として以下の2点が挙げられる。第一にこれまでの自らの経験に基づき自らが感じてきた格差に焦点を当てるのか、社会一般に対して感じてきた格差に焦点を当てるのか、熟慮したためである(結果、前者にした)。第二に主観的格差の構造だけではなく、それと幸福との関わりにも関心をもった。多面的、流動的、重層的かつ、プラス・マイナスの格差の両面が顕在化できるような刺激文を作成するために試行錯誤を繰り返した。
(2)計画には含まれていなかった「ひとり親」の子どもを調査協力者とした調査を2018年度に実施した。そのため、2018年度に実施する予定だった外国人等を調査協力者とする調査を2019年度以降に実施する。

Strategy for Future Research Activity

まずは「ひとり親」の子どもを調査協力者とした研究の分析・考察をまとめ、論文として発表する。それと並行し、引き続き調査を続けていく。調査方法としては、引き続きPAC分析を用いる予定ではあるが、調査協力者の負担が大きいと判断した場合は、半構造化インタビューに変更する。
研究当初は定性調査を中心に行う予定であったが、定性調査で得られた結果をもとに定量調査を行うことも視野に入れていく。

Causes of Carryover

調査計画に含まれていなかった「ひとり親」の子どもを調査協力者とした調査を2018年度に実施した。そのため、当初予定していた外国人等を調査協力者とした調査を2019年度以降に実施する。それに伴い、2年目以降の経費と合わせて使用する予定である。

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Published: 2019-12-27  

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