2018 Fiscal Year Research-status Report
社会・生活×学術・技術情報連関解析による生活材料工学の革新的研究パラダイムの創出
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18K18597
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森川 英明 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10230103)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 社会 / 衣生活 / 国際化 / 都市 / テキストマイニング / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,社会学と科学・技術の接点を注視することでその連関を考証し,さらに今後の社会変革シナリオを構想するために必要となる新たな研究パラダイム(学術研究課題)を提案することを目的としている.具体的には,Internetのリポジトリやデータベース,Web上にある社会学,社会福祉学,家政学,被服材料学などに関連する書誌情報・言語情報(学術情報×技術情報)を,BibliometricsやScientometricsなどの計量書誌学的情報解析手法を用いて定量的・定性的に分析し,得られた連関の俯瞰化(社会学-科学技術マップ)や知識マネジメント技術(Knowledge Management)等によって,新たな研究課題群の形成を進めるものである.本年度は,一つには衣服(衣生活・被服科学)分野を取り上げ,主に中国におけるファッション文化や産業,さらに欧州等との接続による国際化について取り上げ,研究を進めてきた.具体的には,中国におけるファッション衣服の新たな変化について,地域・都市の情報や企業の特性をマーケットセグメントによる視点とデータ収集・分析をもとに解析を行った.またファッション衣服の消費・生産等について変化の激しい中国における状況を,時系列的に捉えるため,いくつかの関連記事についてテキストマイニング等の手法を用いて解析を進めた.また被服材料学との関連では,産業用繊維(テクニカルテキスタイル)技術が重要と考えており,これらが我々の生活や社会を大きく変えて行く可能性を含んでいる.このことからいくつかのテクニカルテキスタイル技術について検討し,資料・情報の収集を行うと共に,それらを項目別に整理して社会科学との連関図を作成する作業を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定から対象とする分野・範囲をある程度絞ることが必要となり,その整理等を行いつつ具体的なサブテーマについて手法をあてはめ,解析を進めた.また研究のスタートが新年度に入ってから時間遅れがあったため当初の予定通りには進まなかったが,現在,Python等のアルゴリズムを用いてサーバから機械的に情報収集する技術を構築中であり,次年度は遅れを取り戻しつつ改善したいと考えている.論文は,ファッション衣服に関連する社会学×集合論的観点から行動空間を仮定した解析が1報掲載された.また同様に地理学×商学的研究を投稿し受理されたが平成30年度時点ではまだ掲載になっていない.またテクニカルテキスタイルに関連する論文も投稿・受理されたがこれも2019年度(令和元年度)に掲載される予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は社会の変化と技術の関係について,ファッション衣服だけでなく,衣生活・被服科学全般さらに環境・医療・建築・住生活・防護服・航空宇宙などを中心に,未来の社会変革を視点として手法の検討・構築を進める.一つにはPythonを用いたクローリング,スクリプティング技術により,Webから関連する情報収集を効率的に進める.また学術情報(論文DB)からの書誌情報解析についても進め,得られた結果をProcessingおよびPython等の情報技術を用いて視覚化する技術を構築したい.その上で未来の社会変化を予見できる技術要素とその生活への影響等を連関図的に整理し,新たな社会学的課題および科学技術的課題について検討を進めたい.
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Causes of Carryover |
初年度に解析装置類を購入する予定であったが,当初の研究手法の検討に時間がかかり,具体的な装置を決定することができなかったため,次年度使用額が生じた.本年度から次年度にかけてテキストマイニングや知識マネジメント技術に関する検討を進めており,具体的な手法が決まり次第,それに適当な装置類を購入して研究を進める予定である.
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