2021 Fiscal Year Annual Research Report
Regeneration for socio ecological production landscape in seriously environmental damaged rural area
Project/Area Number |
18K18602
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 浩和 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20346125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 智子 和歌山大学, システム工学部, 教授 (30351240)
ルプレヒト クリストフ 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (90783895)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 社会生態的環境 / 地域再生 / 環境被害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は重大な環境被害を受けた中山間地域の再生について「コミュニティデベロップメント」に焦点を当て、国内外の再生事例の調査を通して社会的経済的基盤の再構築に必要なメカニズムを検討することを目的にしており、①スティグマ解消とリスクコミュニケーション、②コミュニティの連繋と人的ネットワーク、③新たな農林生産に介在する文化的活動と地域創生、④経済的自立と都市農村共生・交流の4つの課題に取り組んできた。 ①に関してはいわき市における原発事故後の地価変動の分析によってスティグマの解消期間を特定した。②に関しては福島の住民帰還に向けた取り組みの一環としてライフサイクル回復の実践を通して、避難指示区域の内外における地域再生の取り組みとコミュニティの連携について比較研究を実施した。③④に関しては英国チェシャー州における2 つの再生事例を中心にヒアリング調査を実施した。再生事例に共通する特徴として農林業と一体化した文化的活動が存在すること、産業遺産群の保存活動やアートワークには官民の複数の関係者によるパートナーシップが形成され、サイトを維持管理するための多様な資金源と人材を確保していること、さらにフレンズグループなど住民主体の取り組みが展開し自治体との協力が積極的に進められていることなど環境被害を受けた中山間地再生の手がかりを得た。 本年度は対面でのワークショップを避けつつ、国内外の共同研究者とのオンラインによるリサーチミーティングを活発に実施した。またそれによってこれまでに得られた研究成果を再整理するととともに、それらの成果を国際会議、雑誌論文などに発表することで広く情報発信を行った。
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