2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K18604
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
青木 高明 香川大学, 教育学部, 准教授 (30553284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時岡 晴美 香川大学, 教育学部, 教授 (10155509)
川本 達郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10791444)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | アンケート分析 / コミュニティ分解 / ネットワーク科学 / 自由記述式アンケート / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
意思決定に際して「人々の意見や考え・思いを聞きたい」という社会ニーズがある。アンケート調査は社会調査の基盤技術として、広く社会的に利用され、新商品の開発や政策決定に役立てられている。アンケートによる質問には選択肢回答方式と自由記述回答方式の2つがある。特に自由記述式では選択肢に囚われない、多様な意見を集めることが可能である。一方その統計分析には、分析者が文章を精読し、数のグループに分類する(コード化)等の処理が必要とされ、大規模アンケートにおいては実質的に利用困難となっている。 本研究の目的はこの困難を克服し、回答者の「生の意見」という非標準データの統計分析法を開発することである。提案法は、(1)通常の自由回答方式の質問と回答を実施、 (2)過去に得られた回答リストを提示し、自分の意見と「似た/似ていない」を選択し回答させる。この2ステップの回答から、意見が「似た・似ていない」の関係で繋がったネットワークを構築する。ネットワーク科学のコミュニティ検出法を応用し、似た意見のグループを自動抽出し,多様な自由記述を複数グループに分類する。この分類は名義変量として選択肢回答と同様にクロス表分析や回帰分析などの統計解析が可能である。 今年度の研究実績として、(1) 改良したWebアンケートシステムを利用し、トライアル調査を実施した。トライアル調査の目的の一つは,意見ネットワーク構造の特徴把握である.トライアルでは,似た意見として選択されるケースが少なく,スパース性が高い結果となった. (2) 自然言語解析などの他の手法との比較検討を実施した。近年発展が進んでいる自然言語解析の手法について、性能比較を実施した。これらの成果は、論文にまとめて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、Webアンケートシステムの構築が進み、トライアル調査を実施することができた。また手法の改良についても進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は引き続き、トライアル調査等を通じて提案手法の開発を続ける。他人の意見との関係性情報として「似た・似ていない」の2値情報だけでなく、より効果的な情報は何か。提示する意見数は何個が妥当かといった選定について、理論面・実験面を通じて検討を続ける。
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Causes of Carryover |
論文出版費として予定していた予算が、出版時期・出版社が変更になったため、次年度に繰越になった。
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Research Products
(2 results)