2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Quantitative and Qualitative Methodologies to Orientation for Community-based Health Care that Leads to Improvement of Physicians' Distribution
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18K18605
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
杉村 政樹 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (80790071)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 地域医療 / 地域医療志向性 / 医学教育 / 地域医療実習 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の初年度にあたる平成30年度は、本研究における調査項目の精査、ならびに対象者抽出、基本システムの構築、地域医療に対する現状意識の予備調査に充てた。具体的には以下の2点に取り組んだ。 (1)調査項目の検討と現状意識の調査 類似の先行研究はないものの、地域医療志向性に関する文献を調査し、地域医療(特に人口減少地域)を担う医療者として、必要なスキルについてまとめ、調査項目に反映させる作業を行った。また、対象地域の自治体と協議し本調査実施について医療者が地域に定着する要因や行政の取り組みについて意見を聴取した。その結果、現在行っている地域医療に関する教育内容と地域自治体が考えている必要とするスキルの乖離がみられたため、これを補完する教育が必要であることが判明した。そのため、予定していた既存の指標(RIPLSなど)および本学独自に作成していた調査項目の組み合わせでは、真の意味での指向性を計測することができないと考えられた。したがって、さらに踏み込んだ予備調査を行い、地域自治体・住民のニーズを反映した調査項目を加えたもので、調査を行うこととなった。(未発表) (2)学生等に対する予備調査 計画では、在学生、卒業生、大学附属病院に勤務するコメディカルに対する基礎調査(多職種連携の指標に関する調査)を行うこととしており、在学生については概ね回収できているが卒業生・コメディカルについては回収率が悪く、再調査を行う必要がある。また学生については、地域医療実習の前後ではスコアの上昇がみられていることが判明しており、現在、その後の経過を追っているところである。なお、基本システムの構築は平成30年度中に完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の初年度にあたる平成30年度は、地域医療志向性を表す指標を探求する為の基礎調査期間とし、コア指標を開発する為に(1)地域医療教育に関する文献検討、(2)これまでに本学で行われてきた地域医療に関する調査の再検討、(3)対象地域(人口減少地域)の自治体との調整までは実施できたが、予備調査としてのアンケート調査の進捗が遅れている。これは、研究者1名で行っていることと、前述の地域自治体・住民が思い描いている、地域医療志向性に必要とされるスキルとニーズが当初の仮説と異なっていたことにより、予備調査途中で質問紙の内容を変更せざるを得なくなった、などが重なり、十分な研究時間が確保できなかった為である。本年度上半期中に、懸案事項への対応を完了し、可能な限り集中的に調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の2年目に当たる平成31年度は、地域医療志向性に寄与する因子の確定と本調査・結果解析を行うことし、以下の2点に取り組んでいく。1)昨年度から取り組んでいる対象地域自治体協議を踏まえた現地でのインタビュー、ならびにアンケート調査を行った対象者のうち、同意が得られた学生へのインタビューを行い、逐語禄を作成して評価指標項目を抽出、項目の確定を行う。2)上記1)の結果や文献検討の結果も踏まえて、地域医療志向性に寄与するコア項目を設定するとともに、その過程の中で統計の専門家(本学所属)の知見や対象地域自治体で医療行政の統括的立場にある方(行政職・保健師など)の意見も交えて推敲する。3)平成30年度の調査結果は、論文として発表するともに、平成31年度の調査結果は、可能な限り学会等で発表し報告する。
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Causes of Carryover |
研究初年度にあたる平成30年度は、当初対象地域でインタビューを行う予定であったが、webベースの協議において、前提となるインタビューならびにアンケート調査項目の再検討が必要となったことから、当初計上予定であった旅費が計上されなかった。また、予備調査の入力のため、謝金を計上していたが、回収数が少なく、研究者自身で実施したため要しなかった。研究2年目の平成31年度は対象地域でのインタビュー調査やアンケート調査の入力数が増加するため、旅費・謝金が当初予定より多く必要になる可能性がある。
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