2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Quantitative and Qualitative Methodologies to Orientation for Community-based Health Care that Leads to Improvement of Physicians' Distribution
Project/Area Number |
18K18605
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
杉村 政樹 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (80790071)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 地域医療志向性 / 医師偏在 / 医学教育 / 地域医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年にあたる令和4年度は、令和3年度に積み残しになった地域医療に対する現状意識の調査に基づいた教育実践を行い、事後調査から見えてくる地域医療志向性を向上させる因子を解析した。 (1)教育実践 現地実習を前提としていたが、令和4年度も新型コロナによる制限が継続し、高齢者施設等が中心となる内容であったため中止せざるを得なかった。そのため、オンライン実習としての教育実践となった。現地実習は目の前の事象が概念化されやすいことから、能動的に取り組みやすいが、オンラインでは受け身になりがちになることから、特に工夫した。ニーズ評価については、これまでの調査で、「現地実習は他の地域との比較がしにくい」という意見が多かったため、時間帯で各地をオンライン巡回することにより、地域別の比較がしやすいと考え、全員がすべてに参加できるよう、スケジュールを設定した。 (2)事後調査 協力病院及び協力自治体、学習者に対して実施した。協力病院からは導入動画作成支援を望む意見が多いものの、「動画を各部署に作成させたことによって、良いコミュニケーションが生まれた」、「自施設の地域での役割について、あらためて考える機会となった」、というようなポジティブな因子も抽出された。しかし、オンラインでは、「時間が短すぎて地域の良さを十分に伝えられなかった」、「質問コーナーのような流れになりがちで実習とは言えない」など否定的な意見が多く、現地実習の代替にはならないことが改めて示された。学習者フィードバックでは、「短期間で様々な地域の病院を巡回することのよさ」、「話しにくいことも(オンラインなので)質問でき、医療職の本音を聞くことができた」、「オンライン実習を受けてから、現地に参加できれば理解が深まる」、など肯定的な因子が抽出され、仮説通りオンライン・オンサイトを効率よく配分することで、地域医療志向性向上に寄与することがわかった。
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