2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on elucidating the characteristics of cuisine through the symbolization of cooking recipes
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18K18607
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
石川 伸一 宮城大学, 食産業学群, 教授 (00327462)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 料理の式 / 分子調理 |
Outline of Annual Research Achievements |
フランスの物理化学者であるエルヴェ・ティス(Herve This)氏は、料理を「食材の状態」と「分子活動の状態」の2つの要素で考え、組み合わせることで、あらゆる素材や料理の成り立ちが説明できると提唱した。食材の状態は、「G」、「W」、「O」、「S」の4要素であり、それぞれ「気体」、「液体」、「油脂」、「固体」を示す。分子活動の状態は「/」、「+」、「⊃」、「σ」の4要素であり、それぞれ「分散」、「併存」、「包合」、「重層」を意味する。また、新しい食を作る技術の一つである分子調理法は、食品のシート化や泡状食品の作製が可能である。料理の見た目が劇的に変わるため、新規性を向上させる効果が期待されている。しかし、分子調理法は使用に際した客観的な科学データが不足している場合が多い。また、技術的にどんな課題があるか、どのようなメカニズム解明が必要なのかなども知られていない。そこで本研究は、分子調理法を使って身近で馴染みのある日本食をベースとしたレシピを開発し、その「料理の式」から料理をよりおいしく、安定的に作るための問題点・課題点などを幅広く抽出することを目的とする。実験方法としては、既存の日本食のレシピと分子調理法によって改変した料理のそれそれの「料理の式」を作成した。それぞれ料理ごとに比較を行い、既存料理がその料理たる要素は何かを考察した。たとえば、ふろふき大根は以下のような料理の式となる。 (W1/S1)σS2σS3 S1:大根、S2:みそだれ、S3:ゆず、W1:だし汁 分子調理法を用いることによって、()数、食材要素数が増え、式が複雑化する傾向が見られた。全体を通じた共通事項は見られなかった。本研究では最終的な料理構造(料理提供時の盛り付け)に重点を置き、料理の式を作成した。料理の式をより正確に作成するためには、詳細な料理構造の観察を経た料理の式の定義設定が求められる。
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Research Products
(3 results)