2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploratory research for developing a child's poverty index and promoting it as a policy
Project/Area Number |
18K18610
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
山野 則子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (50342217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嵯峨 嘉子 大阪公立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (30340938)
所 道彦 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (80326272)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
|
Keywords | 子どもの貧困 / プログラム評価 / EBP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は以下の2点である。1点目は、2016年度受託事業である大阪府子どもの貧困調査を基に貧困の構造を分析し、子どもの貧困指標の開発を目指すことである。2点目は、1点目で開発した子どもの貧困指標並びに支援プログラムの活用により、貧困対策における有効性が実証された科学的根拠に基づく実践(Evidence-Based Practices: EBP)プログラムの構築を目指すことである。 1点目の取り組みを進めるため、協力自治体数を増やすとともに、スクリーニングシートからスクリーニングシステムへの切り替えを進めた。その結果、これまでに33自治体とスクリーニング契約を結び、そのうち24自治体にスクリーニングシステムを導入するに至った。これらの自治体のデータの取得および分析を進め、子どもの貧困指標と関連する項目を抽出した。 2点目の取り組みを進めるために、経済的に困難を抱えている家庭の子どもについて、スクリーニング項目の継時的な変化を分析した。その結果、経済的に困難を抱える世帯の子どもにおいて、現時点では多くの問題が見受けられなかったとしても、「服装・身だしなみ」や「学力」において気になる点がある子どもは、そうでない子どもと比べて、翌年度に問題が増える(改善しにくい)可能性があることを明らかにした。一方、現時点ですでに多くの問題を抱えている子どもにおいては、「学力」や「家庭の様子」に気になる点があると、そうではない子どもと比べて、翌年度さらに問題が悪化する(改善しにくい)可能性があることを明らかにした。これはすなわち、経済的に困難を抱えている家庭の子どもを支援するうえで、特に「服装・身だしなみ」や「学力」「家庭の様子」をより注視しながら支援につなげていく必要があることを示唆しており、EBPプログラムの一端を構築することができた。
|