2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development and evaluation of teacher education programs based on empathy and sharing of the gaze distribution between teachers
Project/Area Number |
18K18617
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
姫野 完治 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30359559)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 視線 / 共感 / 共有 / 教師教育 / プログラム開発 / 授業研究 / 授業観察 / 360度カメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、伝統芸能におけるわざの伝承システムを援用し、教師相互の授業の「みえ」を共感・共有することを基盤とした教師教育プログラムを開発・試行・評価することを目的としている。具体的には、以下の3つの研究課題を遂行しようとするものである。 1)授業観察及び授業実施時の教師の視線映像の収集とアーカイブ化 2)熟達教師、実習生、指導主事等の「みえ」の傾向分析 3)授業の「みえ」の共感・共有を基盤とした教師教育プログラムの開発・試行・評価 コロナ禍のため、新たなデータ収集が難しく、また追加の聞き取り調査ができなかったため、1年間研究期間を伸ばして継続して研究を行うこととした。 本年度は、このうち3)に力点を置き、2つの研究を行った。一つ目は、X市の公立小学校で授業力に定評のある中堅教員の「みえ」の可視化と、それを主軸とした教師教育用コンテンツの開発である。4月、6月、8月、9月、10月、11月、12月に、同一教師の授業時の視線を記録し、教師の「みえ」の変容プロセスを比較検討した。また、そのうち8月の授業においては、授業を360度カメラと授業者によるウェアラブルカメラの二つで撮影、記録するとともに、両授業映像を統合した教師教育用ビデオ教材を開発した。360度授業映像内に、教師の視線映像、視線配布の意図、机間指導等の異動情報を盛り込んだコンテンツは、タブレット等で視聴することが可能であり、視聴者が、授業中の授業者の「みえ」や視線配布の意図を共有することが可能となる。二つ目は、わざの伝承において先進的に実践されているスポーツにおけるわざの伝承に着目し、とりわけ冬季スポーツにおける選手や指導者の「みえ」の可視化に取り組んだ。ウェアラブルカメラや360度カメラの活用可能性などを検討し、本年度行った教師教育用コンテンツ開発へとつなげることができた。
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Research Products
(5 results)