2018 Fiscal Year Research-status Report
計算物質科分野・博士イノベーションリーダーの総合育成プログラムの開発と検証
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18K18619
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺田 弥生 東北大学, 金属材料研究所, 特任准教授 (20301814)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 計算物質科学分野高等教育 / 博士人材 / 計算科学教育とヒューマンスキル育成の融合 / イノベーション創出人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
計算物質科学分野(以下、CMS)教育とヒューマンスキル育成のプログラムを融合した短期総合育成プログラムのモデルケースとして、代表者が所属する計算物質科学人材育成コンソーシアム(PCoMS)で実施したPCoMS合宿セミナー2018の事後アンケートなどの解析を行い、プログラムの有効性を検証した。その結果、講義では、参加者が講義内容を難しすぎると感じた場合、参加者の満足度は下がるが、グループ課題討論などのアクティブラーニングでは、参加者が課題を難しいと感じても満足度が高いことを明らかにした。その他、参加者と講師が質疑応答を充分に行えなかった場合、参加者の講義に対する満足度と講師の感想が一致しないことも明らかになった。 また、CMS博士人材の定量的な人数動向の調査研究が存在しなかったため、過去52年間(1965-2016)の国内理工系博士論文約14万報の解析を行い、CMS博士号取得者数の人数推移を推定した。その結果、理工系博士号取得者総数に対するCMS博士号取得者数の比率は増加し続けているが、未だ5-6%であることがわかった。さらに、1:主に人材育成や地域課題の解決に重点を置く55国立大学(以下、地方教育中心大学:博士論文約2万報)と、2:主に世界で卓越した教育研究や社会実装に重点を置く16国立大学(以下、研究中心大学:博士論文約11万報)の2つの大学群の解析結果を比較した。その結果、国内の理工系およびCMSの博士人材育成数やCMSの博士人材数の比率の全国動向を、研究中心大学が牽引していることが明らかとなった。また、地方教育中心大学でも博士後期課程の新設が相次いだ1990年代の大学院改革以降、地方教育中心大学における理工系博士号取得者数の人数推移は、数年遅れで研究中心大学と同様の傾向を示すが、CMS博士号取得者の人数推移の傾向はそれぞれの大学群で異なることなどを明らかにしつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象となる計算物質科学分野(以下、CMS)の日本国内の博士人材の定量的な人数動向の調査研究が行われていなかったことから、当初予定していなかったが、初年度に、総合育成プログラムの個別の実習や課題の改善策などを検討する前に、育成プログラムの対象となる国内のCMS博士号取得者数の人数推移や動向を推定する必要が生じ、初年度の研究計画を修正した。その結果、総合プログラムを開発するために重要となるCMS博士号取得者数の人数推移についての知見を新たに得ることができたが、その知見に基づいた総合プログラムの個別の改善策の開発については、当初予定より、やや遅れている。 しかしながら、初年度、代表者が所属するPCoMSで2018年8月に実施したPCoMS合宿セミナーなどの解析を行い、計算物質科学分野の教育とヒューマンスキル育成のプログラムを融合した短期総合育成プログラムに必要な要素などの検討については順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に実施した国内のCMS博士号取得者数の人数推移の解析の結果、当初想定していなかった、研究中心大学と地方教育中心大学などそれ以外の大学群でのCMS博士取得者数の人数推移の傾向の違いが明らかになった。この結果は、この違いを踏まえた総合育成プログラムの開発が必要であることを示唆する。今後は、傾向の違いの原因などの解明を進め、その結果を踏まえて、まず、研究中心大学向けの教育プログラムを開発する。その後、それ以外の大学向けの博士人材の総合育成プログラムの開発につなげる。
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Causes of Carryover |
既に記載したとおり、本研究の対象となる計算物質科学分野(以下、CMS)の日本国内の博士人材の定量的な人数動向の調査研究が行われていなかったことから、初年度に、まず、国内のCMS博士号取得者数の人数推移を推定する必要が生じた。そのため、当初の研究計画を修正し、国内での博士論文数などの調査研究を進め、教材開発のためのサーバーやソフトウェアなどの購入を2019年度とした。 また、当初、初年度から総合育成プログラムの実施を予定していたが、初年度は代表者が所属している計算物質科学人材育成コンソーシアム(PCoMS)が2018年8月に実施したPCoMS合宿セミナー2018をモデルケースとして解析を行うことを優先した。 2018年度に実施したPCoMS合宿セミナー2018の解析とCMS博士号取得者数の人数動向の解析から得られた知見をもとに、今後、総合育成プログラムを開発し、2019年度以降に、開発した総合育成プログラムの実施と検証を行う。
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Research Products
(2 results)