2018 Fiscal Year Annual Research Report
Child attachment and adult attachment in Japanese institutional care
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18K18632
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
青木 紀久代 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (10254129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池邨 清美 (近藤清美) 帝京大学, 文学部, 教授 (80201911)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2019-03-31
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Keywords | 乳児院 / 愛着行動 / SSP / 縦断的観察 / コンサルテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会的養護、特に乳児院と母子生活支援施設で暮らす子どもの愛着形成について、実証的根拠に基づく妥当性のある方法から、その詳細を明らかにし、具体的な援助の改善策を模索していくことである。初年度の平成30年度の実績は、下記の通りである。 ①研究開始時に乳児院2施設及び母子生活支援施設1施設に研究協力の承諾を得て、乳児院での縦断的観察を開始した。しかし里親委託が推奨されている中子どもの入所期間が従来以上に短期間となり、3年間で目標とする協力者数に達しない可能性が予測された。そのため、必要な対象数を確保するために複数の乳児院に更なる協力を依頼した。これにより、新たに2施設の協力を確保することができた。 ②縦断的観察を継続できた乳児2名に対し、生後14ヶ月時にストレンジシチュエーション法(以下SSP)を実施し、愛着の質を測定した。SSPは各施設の設備などの状況に合わせながら撮影場面を設定し、実施した。 ③2施設の乳児院に通算12回の訪問を行った。乳児院職員の養育環境に関するヒアリングと対象児を中心に養育場面の観察を行い、縦断観察のデータと合わせてフィードバックを行った。 ④新たに取得した縦断的観察のデータを、これまでの蓄積データに加え、全12名とし、愛着行動指標の出現率を各月齢ごとに算出した。その結果、生後12ヶ月までは、多少の遅れはありながらも、大きな遅滞やゆがみは見られず、多くは、担当養育者への愛着行動を示しながら発達している様子が明らかになった。この結果は国内学会の自主シンポジウムにて発表した。
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