2018 Fiscal Year Research-status Report
中学校技術科教育における農林水産物検査の指導範囲と実習内容の確立
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18K18634
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
東原 貴志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10370850)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 技術教育 / 農業教育 / 生物育成技術 / 検査 / 指導内容 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究では、「評価」を含む、中学校技術科で学習する生物育成技術の内容及び順序について、生物生産を構成する基礎概念の枠組みへの対応を検討するため、2008年告示および2017年告示の中学校学習指導要領の教育内容を分析した。 その結果、旧学習指導要領では、技術の適切な評価・活用として示されている作業を行う前に社会や環境に与える影響として学習を行うが、栽培や飼育をもとにこれからの技術について考えることは示されていない。新学習指導要領では(1)における生物育成の技術の見方・考え方の気付きや、(2)における生物育成の技術による問題の解決の学習を踏まえ、新たな発想に基づいて改良、応用したりする力を育成すると示されていることが明らかとなった。また、新学習指導要領では次の問題の課題の視点に相当する内容が(3)アイに当てはまると考えられた。 さらに、高等学校の森林科学関連科目を例に、中高の学習内容の連携について検討した。高校生は中学校技術科で生物育成の学習過程で作物の栽培等を学習済みであるため、専門高校において森林科学関連科目を学習する場合、同じ学習過程を辿ることにより、森林科学関連科目に含まれる教育内容をそれぞれ個別に認識するのではなく、「生物育成」という共通の枠組で理解・把握するのではないかと考えられる。専門高校の森林科学関連科目の教育内容を高等学校学習指導要領より分析し、生物育成の学習過程にあてはめて分類した。その結果、新学習指導要領では、次の問題の解決の視点として新設された(7)科目名の実践の授業を行うことで、技術科の学習過程に沿った流れとなっていた。普通教育で扱われる生物育成技術としての枠組みは専門教育においても適用され、学習指導に有効ではないかと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の研究では、「評価」を含む、中学校技術科で学習する生物育成技術の内容及び順序について、生物生産を構成する基礎概念の枠組みへの対応ならびに高等学校との学習内容の関連を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度の研究では、「評価」について、農業協同組合などが作成する出荷基準を調査し、それらを資料をして中学校技術・家庭科技術分野の「C 生物育成に関する技術」の授業実践を実施する。中学校技術科で学習する生物育成技術の内容及び順序について、生物生産を構成する基礎概念の枠組みへの対応の検討結果を踏まえた指導案を作成し、授業実践を行い、学習内容について検討を行う。
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