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2018 Fiscal Year Research-status Report

Developing STEM Module in High School based on Realistic Mathematics Education

Research Project

Project/Area Number 18K18635
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

大谷 実  金沢大学, 学校教育系, 教授 (50241758)

Project Period (FY) 2018-06-29 – 2021-03-31
Keywords現実的数学教育論 / 高等学校数学科 / STEMモジュール / 評価問題
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、オランダの現実的数学教育論に基づき、社会生活、職業、他学問領域との連関を重視する高等学校数学のSTEMモジュールと評価問題を開発し、高等学校数学科の内容や評価システムを刷新することを目的とした。
平成30年度は、附属高校数学科と理科の教員からなるチームを編成し、現実的数学教育論を最も明確に反映している教科書、全国共通試験の問題分析、フロイデンタール研究所が中心となって開発しているMascil(Mathematics and Science for Life)モジュールの分析を行うとともに翻訳も行った。対象とした教科書は、オランダの後期中等教育の「大学準備教育コース」及び「中等職業教育準備」用のModerne Wiskunde (第11版)の数学A(文系),B(理系),C(基本),D(発展)の4科目であり、問題集は両校種向けの全国最終試験問題集(Examenbundel2017)である。
毎月定例で附属高等学校数学科の教員と研究会を開催し、教科書や問題集からわが国の高校数学の内容に対応する問題場面を同定し、わが国で使用可能なSTEMモジュールや評価問題への改良を試みた。また、「オランダからの挑戦状」と銘打って附属高等学校の数学科の課外活動として定期的にセミナーを実施し、一部の問題について、日本の学校での導入可能性について検討を重ねた。
さらに、現実的数学教育に基づく問題開発のためのための専門的な助言を得るため、オランダの実地調査を行うとともに、ユトレヒト大学からTom Goris氏、教育測定研究所からRuud Stolweijk氏を招へいし、授業における問題開発や試験における評価問題の作成について助言を得た。
本年度の最終的な成果物として、「日常生活や社会の事象に数学を活用する力の育成」という高等学校数学科の教授資料を発行し、全国の高等学校に配布を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度に計画した具体的目標を首尾よく実現することができた。
附属高等学校の数学と理科の教員と定期的に研究会を開催し、最新の教科書や問題集を分析するとともに、実際に高校生向けに試行を行い、高等学校への導入可能性についても具体的に検証することができた。
オランダの教科書の執筆者や全国共通試験の問題開発の責任者を日本に招聘し、専門的な知見を得ることができた。
オランダの現実的数学教育論では、社会生活、職業、他学問領域との連関を重視する数学教育を行い、国家共通試験においても良質なる評価問題を開発していることが確認できた。
さらに、分析・翻訳した評価問題を高等学校数学科の教授資料として発行し、全国の高等学校に広く周知することもできた。

Strategy for Future Research Activity

初年度に分析し翻訳した問題はまだ一部分であり、次年度は物理・化学・生物等の教科書や試験問題も含めて、継続して分析し翻訳を進めていきたい。その際、オランダで近年導入されたSTEM的な教科である「自然・生活・テクノロジー」(Natuur, Leuven & Technologie:NLT)のモジュールについても分析と翻訳を行う予定である。
今年度は附属高等学校の課外活動で開始したセミナーである「オランダからの挑戦状」をさらに充実したものにするとともに、昨年度出版した問題集を使用して、平素の数学科の授業においても一部取り入れ、高等学校における授業改善を試みてみたい。
また、本年度作成した教授資料集についても、大学進学コースのみならず、職業学校でのSTEM教材や評価問題を含めて、より広範な生徒に対応可能なように教材や評価問題の範囲を広げていきたい。

Causes of Carryover

オランダの教科書は最新版が改訂中のため、一部出版されておらず購入できなかった。また、「全国共通試験問題」はweb上で無償公開されていることが判明し、購入する必要がなかった。さらに、教授資料の印刷と配布は、無償で行うことができた。さらに、オランダからの研究者招聘の際の航空運賃が想定よりも廉価であった。
次年度は、未購入である教科書を購入するとともに、オランダから継続して専門家を招聘することにしたい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 現実課題を文脈とする数学科の教材実践2019

    • Author(s)
      戸田偉、丹内周子、山本潤平、大谷実、伊藤伸也
    • Journal Title

      高校数学教育研究

      Volume: 70 Pages: 87-94

  • [Presentation] 数学的活動を通した主体的・対話的で深い学びの実現2018

    • Author(s)
      大谷実
    • Organizer
      第100回全国算数・数学教育研究(東京)大会
    • Invited
  • [Book] 日常生活や社会の事象に数学を活用する力の育成2018

    • Author(s)
      大谷実
    • Total Pages
      47
    • Publisher
      東京書籍

URL: 

Published: 2019-12-27  

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