2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the mechanism of failure in judging the promise of ideas in creative problem solving
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18K18639
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大島 律子 静岡大学, 情報学部, 教授 (70377729)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | 有望性判断 / 創造的問題解決 / アイディア生成 / プロジェクト学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大学生の創造的問題解決場面において典型的に発生するアイディアの有望性判断の失敗に着目し,その生起メカニズムや失敗の予兆を把握することを目的とした. まず創造的問題解決活動を行う大学授業におけるグループ活動報告を分析対象とし,彼らが導出したアイディアに対して行う採択・破棄の判断基準や,創造的問題解決の成功・失敗の関係性を検討した.その結果,有望性判断に失敗するグループはアイディアを複数出さない,アイディアの発展可能性について吟味しない,アイディアの裏付けや整合性について検討を行わないという特徴が見られ,これらの特徴はデータを増やした再分析によっても確認することができた. さらに,有望性判断に成功し高い成果を出したグループとの比較検討や教授的支援の効果を検証により,有望性判断に失敗するグループは,創造的問題解決のアイディアを精緻化し完成させる最終段階で周辺的な事柄(例えば発表方法)に注意が向くことが明らかになり,有望性判断の段階だけでなくその後のアイディア向上段階においても,問題が見られることがわかった. 一方でこれら分析の過程で有望性判断に失敗するグループの特徴を持たないにも関わらず成果の質が低いグループが見つかりその特徴を分析した結果,採用アイディア決定後に不採用アイディアの検討や採用アイディアの再正当化といった逆行する特徴がみられ,アイディア向上プロセスへの着目への必要性が再確認された. 以上の結果を踏まえ,最終年度では創造的問題解決における個人貢献に着目し,会話分析を行なった.その結果,議論内容や取り組む必要性が生じた事柄に応じて適切な役割分担が行われない,取り組む事柄により貢献度に多様性が生じない,一人が強いリーダーシップを発揮するまたは殆ど貢献しない人がいるなど,グループ内で貢献の度合いに大きな差があると成果物の質の低下につながることを明らかにした.
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[Journal Article] Transactivity and knowledge co-construction in collaborative problem solving2023
Author(s)
Vogel, F., Weinberger, A., Hong, D., Wang, T., Glazewski, K., Hmelo-Silver, C. E., Uttamchandani, S., Mott, B., Lester, J., Oshima, J., Oshima, R., Yamashita, S., Lu, J., Brandl, L., Richters, C., Stadler, M., Fischer, F., Radkowitsch, A., Schmidmaier, R., … Noroozi, O.
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Journal Title
Proceedings of the 16th International Conference on Computer-Supported Collaborative Learning
Volume: -
Pages: 337-346
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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