2019 Fiscal Year Annual Research Report
Historical study of skilled workers education by analyzing of industrial school workshop
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18K18640
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横山 悦生 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (40210629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 猛志 九州大学, 大学文書館, 協力研究員 (00590564)
石田 正治 名古屋芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (30402671)
川島 智生 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (60534360)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 工業学校 / 工業高校 / 高等工業学校 / 技能労働者 / 技手 / 徒弟学校 / 工業博物館 / 地域産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は岐阜、都島、鹿児島、高崎、浜松、岡崎などの工業学校の卒業後の進路を調査した。岐阜工業学校の学科別卒業生の進路(就職先)をみると繊維関係の事業所に就職した者が一番多く、機械科の卒業生は機械製造業に就職した者以外では、繊維関係の事業所に就職していた。戦後もその卒業生が県内製造業、とりわけ繊維産業に就職し、この産業の発展に貢献した。1939年に東京市大森区内の中小工場主たちが大森機械工業徒弟学校を創設した。この学校では「学校は教育、工場は実践的実習場」とし、第一本科の他に第二本科(見習い工の教育)が設置された。同校には栄養食配給所・共同寄宿舎も設置され、総合的な生活体として設計された。 高等工業学校については、長岡高工と神戸高工の2校について調査し、以下のことが明らかになった。①長岡高工第1~3回卒業生の県内入学者と卒業後の県内就労比率を明らかにした。前者は、69.5%が県内からの入学者で、後者は23.5%が県内に就職していることが判明した。同時期に開校した桐生高工と比較すると、長岡高工は当該地域の強い進学要求を満たすとともに、県内に就労先が豊富で、地域の要望に応えて設立されたことが分かった。②学校平面図の検討により、両校では附属博物館を有し、博物館を利用した地域産業の発展を支援する役割を果たしていたことが判明した。 長岡高工附属科学工業博物館は、学校備品を展示し、一般市民に科学知識を普及するだけでなく、地域の鉄工所に対し、機械製造における互換性生産方式を指導する機能を有していた。長岡高工設立時点から地域産業を支援する機能が検討され、地域の商工会議所の協力を得、附属博物館がその場となっていた。神戸高工にも工業科学博物館が設置された。長岡高工以上に地域産業支援の機能は強化され、工業科学研究所が独立して設置されたことが分かった。
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Research Products
(13 results)