2018 Fiscal Year Research-status Report
障がい者の「弾きたい」を叶えつつ、学習だけでなくリハビリもする演奏支援装置
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18K18642
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西ノ平 志子 三重大学, 工学研究科, リサーチフェロー (40782660)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 演奏支援装置 / リハビリ / 障がい者 |
Outline of Annual Research Achievements |
装置の改良に関して:本研究でのギター演奏支援装置の前機種における問題点は,装置の剛性や耐久性が乏しいこと,支援装置を使って演奏できるパターンが少なかったこと,スイッチ入力部分の形状が障がい者の使いやすいものになっていなかったことである.この点について改良した後継機(F-ready)を2台製作した. 改良装置を用いた実験: F-readyを用いて,頚髄損傷(損傷レベルC3-C4)の男性1名に対して,臨床実験を開始した.初めに,F-readyを使用するにあたり,被験者にとって負担の無い体勢やギターとF-readyを設置する位置などについての検討をした.次に,F-readyが本研究で要求している仕様を満たしたものになっているかについて,被験者が実際に使って確認をした.さらに,本研究の目的の一つである「楽器練習をしながらリハビリができる」ことを実現するために,臨床実験では,理学療法士が1か月ごとに*身体機能評価(FIM,ROM-t,MMT)を実施している(継続中).また,被験者が練習をするごとに録画とアンケート用紙に記入し,その録画した内容とアンケートをもとに練習中の動作やリハビリの効果を解析し研究会で発表した. しかし,被験者のリハビリ効果については長期間の観察が必要であり,これまでの実験で被験者にとってリハビリの負荷が大きすぎるという結論に至ったため,最適な負荷を調査し実現することが必要であるという知見が得られた. *身体機能評価(FIM: Functional Independence Measure,ROM-t:関節可動域測定法,MMT:Manual Muscle Test 徒手筋力テスト)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
改良装置の製作を完了し,装置を使った臨床実験を遂行中である.実験を行う中で得られた知見や問題点を一つずつ解決しながら進めている状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
臨床実験では,被験者のリハビリ効果については長期間の観察が必要であり,これまでの実験で被験者にとってリハビリの負荷が大きすぎるという結論に至ったため,最適な負荷を調査し実現することが必要であるという知見が得られた.そのため,負荷を軽減するための機能を追加する. 現在は1名の被験者で臨床実験をしているが,今年度から障がい者施設に通う脳卒中患者さんや,脳性まひによる上肢が不自由な人を対象に臨床実験を実施する予定である.
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