2018 Fiscal Year Research-status Report
Estimation of Learning Activity and Learning Performance of Junior High School Student
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18K18656
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30243851)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 振り返り文 / 成績推定 / 機械学習 / 目的語 / 繰り返し表現 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習者(中学生)の学習状況・学習能力の向上を目的として,学習者が書いた振り返り文章から学習行動や学習状況に関連する特徴的な記述を自動抽出し,学習者の学習行動改善に向けたアドバイス支援の仕組み作りに挑戦することを目的として,研究を実施した.2018年度は,2016年度に取得した塾に通う中学生(55名分)の振り返り文(1年分)の解析を行った.テストのある月と無い月や,休暇中の月など,月による推定精度の変化の分析を行うほか,事前に推測していた,振り返り文中に含まれる目的語の特徴分析の効果や,振り返り文として繰り返し同じ表現の利用度合いなど効果を,複数の機械学習器:サポートベクトルマシン,ランダムフォレスト,ナイブベイズ,決定木を利用し,分析を行った.特徴表現については,組み合わせ効果を確認するため,127個の特徴表現を作成し,各々の効果を分析した.その結果,月によって,推定精度に大きな変化があること,目的語の特徴や繰り返し表現の利用のチェックが,推定精度向上に寄与することなどを確認するとともに,機械学習器に入力として与えるベクトルの圧縮の効果等を確認した.また,これらの結果を,データ提供元に報告した.利用した生徒の振り返り文のデータには,複数の学年の生徒と複数科目の振り返り文が混ざっていたため,平均の成績推定精度が60%強程度であったが,月毎の最高の推定精度は80%を超えることもあったため,より詳細な分析を続けることが必要との結果となり,新たなデータの提供の約束を取り付けた.大学生の振り返り文の分析の場合,1つのクラス内での,短期(せいぜい3~4か月)の分析であったため,1年を通した推定精度の分析を行うことができたことは,大きな成果と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の機械学習器を用いて,127個に及ぶ特徴表現を利用し,学習者の成績推定を行い,学習者の成績に関わる特徴表現を詳細に分析することができた.その中で,これまでの事前に分析していて効果を推測していた,特徴の効果を実際に確認できた.また,分析結果をデータ提供側に報告することができ,新たなデータ提供を約束してもらえた.利用した機械学習器が,標準的なものに留まっていることと,外部発表がまだできていないため,進捗状況としては(2)とした.
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Strategy for Future Research Activity |
機械学習器として,(単方向,双方向)LSTMなどの深層学習器を利用し,学習器への入力を,月単位から,週単位に変えるとともに,振り返り文中の丁寧語表現の有無や,振り返り文中の言い回し表現の繰り返し度(エントロピー)に着目した,詳細な分析を行い,その結果を成果発表する.
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Causes of Carryover |
2018年度は,データ分析実験についての研究を進めることに主眼を置き,研究成果発表は2019年度に回すこととしたこと,実験に利用する計算機の購入を,大学所有のスーパーコンピュータの利用に置き換えたこと,ならびに,これら余った研究費を有効活用し,さらに研究を発展させるため,2019年度にテクニカルスタッフを雇用することに決め,その雇用費に充てるため,150万強の費用を2019年度に繰越すこととした.
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