2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の社会的活動及びウェルビーイングを高めるネットシステムの開発に関する研究
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18K18662
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
桂 瑠以 川村学園女子大学, 文学部, 准教授 (60572815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 靖子 川村学園女子大学, 文学部, 教授 (60221917)
木村 文香 東京家政学院大学, 現代生活学部, 准教授 (70424083)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / ネット使用 / 社会的活動 / ウェルビーイング / 精神的健康 / ネットリテラシー / ネットシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、高齢者の社会的活動及びウェルビーイングを高めるネットシステムの開発及び、実践実験による効果検証を行った。まず、前年度に実施した調査研究の知見及び先行研究の概括を踏まえて、スマートフォンで利用する高齢者向けネットシステムの開発を行った。本ネットシステムの特徴として、スマートフォンの操作に慣れていない高齢者にも操作しやすい簡便な機能や画面表示を用いており、高齢者同士での交流ページや、ネット・リテラシーの学習ページなどを実装した。そして、高齢者を対象に実践実験を行い、3週間、各自で本システムを利用してもらい、本ネットシステムに対する評価、社会的活動、ウェルビーイングなどを測定した。その結果、本ネットシステムへの評価は総じて肯定的であること、事前より事後のほうが、オンラインでの対人交流量が高く、孤独感が低いこと、本システムでの交流が多いほど、QOL、主観的幸福感、ネットリテラシーの一部が高いこと等が示された。ただし、本ネットシステムの利用は、オンラインでの交流を促進する効果は認められたが、オフラインでの交流を促進する効果は認められなかった。これらの内容について、学会大会等で研究報告を行った後、学会誌に論文としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたネットシステムの開発及び実践実験が完了しており、研究計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度の知見と課題を踏まえて、高齢者の社会的活動及びウェルビーイングを高める要因を検討するためのWeb調査を実施する。それにより、ネットの利用にあわせて、どのような環境要因が高齢者の社会的活動やウェルビーイングを高めるかを分析する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度は、高齢者の社会的活動及びウェルビーイングを高めるネットシステムの開発や実践実験による効果検証を行った。その結果、開発したネットシステムへの評価は総じて肯定的であったが、本ネットシステムの利用により、オフラインでの社会的活動が高まる効果は認められず、ネットシステムの利用にあわせて、オフラインでの社会的活動を高める要因を検討すること等が課題に挙げられた。そのため次年度は、こうした課題を踏まえ、ネットシステムのより有効な使い方を検討するためにWeb調査を実施することとし、それに係る予算が必要となるため、予算を繰り越すこととした。
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Research Products
(8 results)