2020 Fiscal Year Research-status Report
Practice and Issues of Disaster Prevention Education by Learning Manga in Turkey - Focusing on Cases of Refugee Children
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18K18678
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Research Institution | Kansai Gaidai College |
Principal Investigator |
Cakir Murat 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (60758176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 貴徳 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (90753666)
具 本媛 関西外国語大学, 外国語学部, 助教 (10758014)
姜 京守 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30757985)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 防災教育 / 難民の子ども / 漫画での教育 / 学習漫画 / 地域住民 / 定量調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、トルコにおける難民の子どもへの学習漫画による防災教育の実践に挑戦し、その効果と問題点を明らかにすることである。具体的には、「課題1:トルコにおける難民の現状と課題に関する文献研究」、「課題2:難民の子ども向けの学習漫画の開発に向けての現地調査」、「課題3:難民の子ども向けの防災教育学習漫画の実施と効果の検証」の3つの研究について行う。2020年度は、本研究の計画通り、課題3を中心に調査を実施し、研究課題の検証を目指していた。具体的には、①難民の子ども向けの教育漫画の作成を完成させること、②漫画の効果を検証する(漫画の学習前と学習後の子どもの認識の変化)ための調査票を完成させること、③現地調査を実施する前に学内の倫理審査委員会で承認を得ること、④現地調査を実施することであった。①、②、③に関しては、予定通りの研究成果が得られたものの、④に関しては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で予定通りの研究成果が得られたとは言い難い。トルコでは現在も繰り返しロックダウンによる緊急事態宣言が続いており、民間機関や行政機関、そして学校などはその対応に追われていて、現地調査ができる状況ではない。これは研究が遅れている主な理由である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は本研究課題の最終年である。2020年度は、最終年度に実施予定のアンケート調査の準備期間と位置づけ、調査票と学習漫画の作成を完成させることであった。その成果を具体的に述べると、第1に、アンケート調査を実施するための事前準備として、難民子ども向けの質問紙の作成や、学内の倫理審査委員会で承認を得ることができた。第2に、先行研究の知見に基づいて学習漫画の内容分析や検証を行い、研究分担者である姜氏、小林氏、具氏との協議を重ねながら難民子ども向けの学習漫画を作成し、完成させた。現地調査に際しては現地の関係機関の協力が必要であるため、トルコ大使館を訪問して連携強化を図った。しかし、2020年3月に予定していたアンケート調査の実施が新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により急遽中止となった。そのため、旅費、人件費、物品費などの未使用の予算が生じた。トルコでは、現在もロックダウンによる緊急事態宣言が発令されている状況にあり、行政機関や学校などはその対応に追われているため、今年度実施予定であったアンケート調査は次年度に持ち越された。今後も、トルコ大使館や関係機関との交信を継続し、アンケート調査の実施時期を探っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、前年度の研究成果に基づいて、まず①難民の子どもを対象に現在の防災教育の知識に関するアンケート調査を実施する。その結果を踏まえ、②開発した難民の子ども向けの漫画を使用して防災教育を実施する。③学習漫画による防災教育の効果を検証するためのアンケート調査を実施する予定である。③から得られたデータを基に、仮説検証を行う。その結果を踏まえて、本研究課題の成果を学術的及び実務的な観点から議論していく。さらに、本研究の限界を示しながら、今後の研究方向についても述べていきたい。状況に応じて研究資源に余力があると判断される場合に限り、経済的に不利な状況におかれている子どもを対象とした調査を実施することも視野に入れて比較研究を進めていくことにしたいと考える。ただし、トルコにおける新型コロナウィルス感染症の収束時期が見えない中、研究の遅れをいつどのように取り戻すか、世の中の動きを注視しながら、研究計画を練り直すことが目下の課題といえる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、当初予定していたトルコへの出張が急遽中止となったため、最終年度の未使用額が生じた。科研費期間延長した年度は、今年度の研究費も含め、今年度実施予定の研究計画を合わせて進めていく。
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Research Products
(2 results)