2020 Fiscal Year Research-status Report
Present state analysis for deriving conditions for effective school evaluation
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18K18683
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (80189480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 佐知子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50186722)
池田 満 南山大学, 人文学部, 准教授 (90596389)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 学校評価 / 国際比較 / 実効性 / 評価的思考 / evaluative thinking |
Outline of Annual Research Achievements |
1)本研究の核心的な問題設定の問い直しを進めた。初年度の「学校評価の<実効性>の実態について」を改めて、昨年度は「評価的思考(evaluative thinking)の浸透度について」の概念を用いた質問構成にして、今年度前半はその趣旨に拠って、学校評価という制度の有無やその制度が生む利害関係から自由になって、学校における評価的な動きの実効性を調査する内容にして、共同研究者・協力研究者、国内外の学校関係者からの意見聴取を進めた。 2)学校への質問紙・面冊調査の構成に再度の改善を加えた。上記の意見聴取によって、「評価的思考の浸透度」を見る指標を考案し、学校における評価・点検・事実特定活動が、学校や教育委員会の施策に反映した事例を博捜することとした。 3)学校評価についてのウェブ調査をさらに進めた。新型コロナ禍の影響もあって、学校評価のなされ方や結果公表・結果活用の方法に変化が見られたので、そのデータをまとめる作業を進めた。 4)初年度からの入力作業も継続した。「ワークシート」「カード」に書かれた現場教員等からの情報や意見のパソコン入力を継続し、そのデータから「評価的思考の浸透度を見る」分析を行った。 5)国際学会(アメリカ評価学会)、国内学会(教育史学会、日本評価学会)、その他内外の研究会(主催は、日本教育学会・アメリカ評価学会・カナダ評価学会・日本評価学会ほか、NGOなど)で報告等の参加・交流を進めて、研究作業の改善や精緻化に役立てた。 6)当初の計画にはなかったが、新型コロナ禍との遭遇という緊急事態に反応して、大正年間の学校におけるパンデミック対応に関する緊急史料調査を行い、当時の学校・教育界での危機対応における評価的思考の在り方をみようとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)実施予定の質問紙調査の前段階の面接によるプレ調査が年度前半は進まなかった。核心的な問いを「学校評価の実効性の有無を見る」ことから「評価的思考の浸透度を見る」ことへと変更したために昨年度は遅延したが、それをほぼ克服してプレ調査を行う段階で新型コロナ禍に遭遇した。年度後半は、オンラインでの聴取や情報交換がかなり進んだので、いくらか挽回できたが、全体としては遅延している。 2)最も重視していた学会発表の予定がなくなった。核心的な問いの変更が正解であったことは、オンライン開催された学会・研究会のおかげで、国際的な議論の中で確かめることができたものの、アメリカ評価学会での単独発表権は得られなかった(コロナ禍で退会がオンライン化して、報告者数が大幅に制限されたため、インターナショナルな報告は一部の優秀な報告者以外はリジェクトされてしまった)。それで作業速度も低下してしまった。 ・
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Strategy for Future Research Activity |
1)遅延している2作業(学校評価事例の収集、「ワークシート」「カード」入力)を進める。 2)新型コロナ禍の中で、質問紙調査を学校や教委に対して行うことができるか、予断を許さない状況であるので、質問紙に代えたオンライン調査などの形態を考案する。 3)確実に発表権が得られる学会に絞ってエントリーをして、成果報告・情報交換を進める。 4)引き続き、新型コロナ禍のもとでの社会状況の変化を直視した研究作業を臨機に取り入れたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、新型コロナ禍によって、①国内資料調査やヒアリングのための旅費を使わなくなった、②予定していた国内学会(新潟市)、スウェーデン(ストックホルム)と米国(オレゴン州)開催の大会への参加がなくなったため、である。また、研究補助者が職場に出勤できる日数が減って、人件費が余った。 2021年度においては、新型コロナ感染症対応の影響が軽減されないという見込みを持ってすべてオンライン参加とするとともに、研究補助者はテレワークを積極活用して、資料を自宅に運搬するなどして、作業の遅れを回復すべく、次年度使用額相当の支出を計画する。
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Research Products
(4 results)