2018 Fiscal Year Research-status Report
The association of childhood fitness to implicit memory
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18K18702
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
紙上 敬太 筑波大学, システム情報系, 研究員 (20508254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10382540)
高井 洋平 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20574205)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 体力 / 記憶 / 子供 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究では、体力が高い子供ほど記憶機能が優れていることが示されている。これらの知見を再現・発展させるため、研究代表者は先行研究とは異なる記憶課題を用い、子供の体力と記憶機能の関係を検討した。ところが、体力が低い子供の方が記憶課題の正答率が高いという、先行研究に反する予想外の結果が得られた。これまでの研究では明らかにされていない、体力が低い子供の方が優れている脳機能があるのだろうか? 記憶課題の再認テストでの反応は、確信度により「はっきりと覚えている」(Remember)、「何となく覚えている」(Know)、「全く覚えていない」(Guess)の3つに分けることができる。先行研究(Voss et al., 2009, Nat Neurosci)に従えば、潜在記憶によるGuess反応が記憶パフォーマンスを向上させることがあると示唆される。また、これまでの多くの研究によって、体力の低い子供は注意機能が劣っていることが示されている。よって、上述の研究代表者の研究では、体力の低い子供の方が注意機能が低いため、潜在記憶に依存したGuess反応が多くなり、正答率が高くなったのではないかと推論した。そこで、本研究では潜在記憶に注目し、子供の体力と記憶機能の関係を明らかにすることを目的としている。 平成30年度には、子供の体力と記憶機能のポジティブな関係を示した先行研究(e.g., Baym et al., 2014, J Cogn Neurosci)と同じ記憶課題を用い、確信度を評価する実験を始めた。しかしながら、この記憶課題ではGuess反応が予想以上に少なくなることが判明した。Guess反応数が少ない参加者は分析から除外しなければならない。よって、記憶課題を変更するか、もしくは相当数の参加者からデータを取得するかの判断をする必要が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画通りの記憶課題を用いて実験を開始したところ、予想以上にGuess反応が少ない(分析対象にならない)参加者が多かった。Guess反応が多くなるように記憶課題を修正しようとも試みたが、本研究では先行研究と同じ記憶課題を使用することをより重視すべきだとの結論に至った。つまり、当初の予定以上、相当数の参加者が必要になることとなった。このように、記憶課題の試行錯誤を重ねたこと、予想を大幅に上回る参加者数が必要になったことから、進捗は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度には、記憶課題を変更するか、もしくは相当数の参加者からデータを取得するかを検討し、後者を選択することに決めた。よって、あとは実験を行ってサンプル数を増やすのみである。
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Causes of Carryover |
当初の予想以上にGuess反応が少ない(分析対象にならない)参加者が多かったため、実験を途中で一旦中断し、実験計画を再検討した(記憶課題の試行錯誤を重ねた)。このようなことから、研究の進捗が遅れており、次年度使用額が生じた。 予想を大幅に上回る参加者からデータを取得する必要が出てきたため、研究補助者への謝金など、人件費に使用する。
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