2022 Fiscal Year Annual Research Report
The association of childhood fitness to implicit memory
Project/Area Number |
18K18702
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
紙上 敬太 中京大学, 教養教育研究院, 准教授 (20508254)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10382540)
高井 洋平 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20574205)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
|
Keywords | 体力 / 記憶 / 子供 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究では、体力が高い子供ほど記憶機能が優れていることが示されている。これらの知見を再現・発展させるため、研究代表者は先行研究とは異なる記憶課題を用い、子供の体力と記憶機能の関係を検討した。ところが、体力が低い子供の方が記憶課題の正答率が高いという、先行研究に反する予想外の結果が得られた。これまでの研究では明らかにされていない、体力が低い子供の方が優れている脳機能があるのだろうか? 記憶課題の再認テストでの反応は、確信度により「はっきりと覚えている」(Remember)、「何となく覚えている」(Know)、「全く覚えていない」(Guess)の3つに分けることができる。先行研究(Voss et al., 2009, Nat Neurosci)に従えば、潜在記憶によるGuess反応が記憶パフォーマンスを向上させることがあると示唆される。また、これまでの多くの研究によって、体力の低い子供は注意機能が劣っていることが示されている。よって、上述の研究代表者の研究では、体力の低い子供の方が注意機能が低いため、潜在記憶に依存したGuess反応が多くなり、正答率が高くなったのではないかと推論した。そこで、本研究では潜在記憶に注目し、子供の体力と記憶機能の関係を明らかにすることを目的とした。 小学3年生と5年生を対象に記憶課題を実施した結果、確信度にかかわらず体力と記憶パフォーマンスの間に関係が認められなかった。つまり、我々の仮説が棄却されたのみではなく、先行研究と同じ記憶課題を用いているにもかかわらず、先行研究の知見を再現できなかった。研究参加者の特性(本研究の参加者の記憶機能が高すぎたこと)が、先行研究を再現できなかった要因であろうと考えている。今後は、参加者の特性を考慮した研究が求められる。
|
Research Products
(4 results)