2019 Fiscal Year Research-status Report
The McKay correspondence over number fields
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18K18710
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 健彦 東北大学, 理学研究科, 教授 (30507166)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | マッカイ対応 / モチーフ積分 / 等標数 / 特異点 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所・大域対応により代数体上のマッカイ対応への理解には、局所体上のマッカイ対応について理解が欠かせない。この局所体上のマッカイ対応について2018年度に得られたアイデアの細部を検証し論文をまとめ、プレプリント・サーバーarXivで発表した。より具体的には、捻れ解消の手法を非線形作用に拡張する問題を、Homスタックを利用して解決するものである。これにより、等標数の場合の野性マッカイ対応予想を任意の有限群に対し証明することが出来た。今後、代数体などの大域体上のマッカイ対応を研究するために、有用な結果である。また、この結果をより具体的な状況に適用し野性的商特異点の性質を調べる研究を研究協力者の丹野真人氏と行った。まだ細部の検証が残っているが、素数巾位数の巡回群による商特異点がいつKLTなどの双有理幾何的に良い性質を持つかどうかをほぼ判定できるようになった。 一方、代数体上のマッカイ対応そのものについては、まだ情報収集をしながら糸口を探している段階である。効率的な情報収集、多くの研究者との問題意識の共有、研究成果の宣伝などの目的のため、二つの国際研究集会「高次元代数多様体の有理点」(2019年12月、京都大学)と「Singularities and Arithmetics」(2020年2月、東北大学)を開催した。国内外から第一線で活躍する研究者が講演し、多くの大学院を含む若手研究者も参加し、研究集会の目的はある程度達成されたと思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代数体上のマッカイ対応と密接に関係する局所体上のマッカイ対応については大きく進展しているが、その研究の細部の検証に予想外に時間が掛かった。そのため、本来の目的である代数体上のマッカイ対応そのものについては、従来の計画からやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいる局所体上のマッカイ対応に関連した研究については、今後も継続して行う。具体的には、研究実績の概要で述べた等標数で得られたモチーフ積分の理論を混合標数に拡張する、丹野氏と行っている素数巾位数の巡回群による商特異点に関する研究の細部を検証し、論文にまとめ発表するなどである。 その一方で、これまでに得られた成果を応用し代数体上のマッカイ対応の理解に向け、まずは簡単な具体例の理解に努める。計算機を使って数値実験などで、低次元の場合や単純な群の場合にどのような現象が起きるかを観測し、より一般的な状況でどのような定理が成り立つかを探っていく。
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Causes of Carryover |
COVID19感染拡大により、2月と3月に計画していた研究者招聘を取りやめたために次年度使用額が生じた。翌年度前半もCOVID19の影響が残ることが予想される。そのため、当該助成金はオンラインセミナーやテレワークなどにより翌年度研究をなるべく当初の計画通りに行うための環境整備に用いる予定としている。具体的には、スキャナー、タブレットなどのIT機器の購入に充てる予定である。
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