2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K18711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
落合 理 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90372606)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 岩澤理論 / 肥田理論 / p進モジュラー形式 / p 進Lie群 / Euler系 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はメキシコのOaxacaにおいて, p進L関数の様々な代数群への一般化に関して最新の結果や現状の課題を紹介するワークショップをBIRS-CMOにて企画開催し, この領域の今後の研究課題を整理することができたのが大きな成果の一つである. また, それ以外に次の計画を中心に単独研究および共同研究の活動を進めた. (I) HarderのEisensteinコホモロジーの理論によるp進L関数の構成問題へのアプローチ (II) GSp(4)のスピノールL関数の特殊値を補間するp進L関数の構成 (III) 新しいEuler系の構成の探求 (II)と(III)は密接に関係しており, 共同研究者であるFrancesco Lemma氏とともに議論を進め, Beilinson-加藤元の高次元化についてnorm compatibilityを検証するとともに, Piatetski-Shapiroとの積分表示などと関連した構成について部分的な結果を得ることができた. また, 剰余体がperfectでない高次元の局所類体論に関するexplicit reciprocity lawやp進Hodge理論に立ち戻って詳細をチェックしながら証明のタイプを進めた. この構成が新しいEuler系として最終的にうまくいくか先は見えないが, 引き続き研究を進めたい. (I)に関しては, 単独研究として進め状況はだいぶ整理されてきたが, まだ結果を得るまでには至らなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メキシコでのワークショップにおいては, 入念な準備が功を奏しおよそ現状をしっかり検討し整理することができた. 状況が整理され個人的に研究の見通しが進んだことに加え, 多くの研究者の助けを経てスライドやビデオの形で研究資料を残すことができた. Francesco Lemma氏との共同研究に関しても, 部分結果ではあるがEuler系の高次元化に関する研究が一歩進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は, 研究実績の概要で述べた研究テーマ(I), (II), (III)に集中して研究を進めていきたい. (II), (III)はFrancesco Lemma氏との共同研究であるため, 電子メールなどでカバーできない詳細な議論を行うために行き来して研究を進めたい. Eisenstein cohomologyに関する研究は前年度からの研究を進展させp進変形族に関する正確な結果を得たいと考えている.
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Causes of Carryover |
国際研究集会の準備等で共同研究や単独研究に割くことができる割合が予期していたより小さくなってしまい、研究連絡などの大きな活動などを次年度に延期して集中して行うこととした.
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