2021 Fiscal Year Research-status Report
Building-up Differential Homotopy Theory
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18K18713
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩瀬 則夫 九州大学, 数理学研究院, 教授 (60213287)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | Smooth CW Complex / Whitney Approximation / Partition of Unity / enough many functions |
Outline of Annual Research Achievements |
「滑らかなCW複体」に対する Whitney Approximation 定理の当初の証明には若干の穴が見つかったためこれを修正したが、すべて の「連続なCW複体」が「滑らかなCW複体」とホモトピー同値であるという主結果には影響しなかった。ただし、ここでのホモトピーは滑らかとは限らない連続なホモトピーである。また「滑らかなCW複体」が滑らかな意味での単位の分割を持つことを証明した。さらに「滑らかなCW複体」上に十分多くの滑らかな関数が存在することをも示した。 これら三つの結果をまとめた論文が2021年度中に査読を経て出版された。実は上記の修正にも関わらず、オリジナルの非常に一般な形の定理も成立するのではないかと考えているが、現時点では証明の糸口を見つけていない。 また、多様体は全くそのままの形で微分空間に埋め込むことが可能であることが P. I.-Zemmour により示されているが、上記の定理により、通常のホモトピー論で用いられる対象であるCW複体をほぼそのままの形で微分空間の中に埋め込めることが示せたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19と大学オンライン化への対応に追われて残念ながら研究はしばらく中断したことがあげられる。さらに、「滑らかなCW複体」に対する Whitney Approximation 定理の証明に若干の穴が見つかり、この穴を埋めることに注力した。
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Strategy for Future Research Activity |
これらの結果とともに、圏論的に定義される reflexive な空間と「滑らかなCW複体」とがどのように絡まるのかにも興味を持って取り組んでいる。さらに、本研究では球面と球体を元にして「滑らかなCW複体」を定めるのだが、単体や立方体を元にする理論との関係を明らかにしたいと考えている。そのために、「立方体様」複体( cubic complex)の概念を定め、これに対する微分ホモトピー論の展開を試みている。
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Causes of Carryover |
大学のオンライン化への対応に集中し、また時差の問題で海外の研究集会への出席や発表の機会を 失った。また新規の機材の購入も必要最小限に留めた。新年度は二回の海外での講演と一回の国内での講演を予定しており、また一方で年度末に信州大学の栗林勝彦氏と共同で研究集会を開催し、多数の研究者との交流により本研究にも弾みをつけたいと考えている。
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