2021 Fiscal Year Annual Research Report
Applied Singularity Theory in Information Science and Stractural Design
Project/Area Number |
18K18714
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大本 亨 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20264400)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
|
Keywords | 特異点論 / 双対平坦構造 / 統計多様体 / ラグランジュ・ルジャンドル特異点論 / カタストロフ理論 / パーシステントホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
【1. 特異モデルの情報幾何】博士院生(北大・情報)の中島氏との共同研究として,令和2年度に引き続き,“アフィン微分幾何的ルジャンドル多様体論”として概ヘッセ多様体の理論の整備を進めた.この理論は,非凸なポテンシャルを許容するように双対平坦理論(甘利・長岡)の一般化を行うものであって,特異ラグランジュ多様体論(あるいは実フロベニウス構造)に関連するものである(最近,Y. Maninおよびその学生が統計多様体のフロベニウス構造について議論しているが,我々の理論は計量の退化を許容する).令和3年度では特に「応用数理」における展開について考察を進めた.具体的には,統計的推論におけるEMアルゴリズムの再検討,隠れマルコフモデルなどの特異モデルへの応用に関して検討を行った. 【2. 確率論的カタストロフ理論再考】正規分布・ガンマ分布・ベータ分布・逆ガウス分布を統合するピアソン分布族を高次化した多峰的ピアソンモデルが80年代より知られている.特に二峰性分布におけるカスプ型パラメータ分岐について,モーメント推定とEMアルゴリズムによる推定との比較について大学院生と共に計算機実験を行った.また双対平坦構造による解釈を検討した. 【3. パーシステント特性類】純粋に組合せ論として,ポセットに対するホイットニー特性類理論を特性類自然変換(グロタンディエク・リーマン・ロッホ型定理)として定式化し,さらに離散モース理論との関係を大学院生と共に検討した.パーシステントホモロジー版も整備し,位相データ解析等への応用可能性を検討した. 【4. その他】研究協力者の石川教授(北大)はフロンタル曲面の特異点の研究,古畑教授(北大)は統計部分多様体論の研究を進めた.
|