2021 Fiscal Year Research-status Report
調和解析的方法による視覚・錯視の研究の機械学習への応用
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18K18716
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新井 仁之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10175953)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | フレームレット / 応用調和解析 / 機械学習 / 錯視 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績として得た知見は次のものである.調和解析的方法を用いた申請者らによる人の視知覚の数理モデリングの錯視研究への応用の延長線上で,調和解析的な方法を使った機械学習,そして,その応用について研究を行った.機械学習の中では,特にたたみ込みニューラルネットワークによるディープラーニングが関係しているが,本研究では,これまでの申請者らの数理モデリングによる錯視研究の知見に基づいて,前年度に引き続き調和解析的な方法を用いたニューラルネットワークの構造の検討を行い,本研究に適するような構造をもつたたみ込みニューラルネットワークの研究を行った.さらにこれに加えて今年度,錯視画像の学習データに関して,視知覚の数理モデリングを用いて,より本研究に適した錯視画像の学習データのあるクラスを作成して適用することを新たに考案し,その作業に取り掛かった.また,たたみ込みニューラルネットワークの構築についても新たな着想を得て,併せてその研究も行った.しかしこの新しいクラスの錯視画像の学習データの作成と整備,新たな着想による上記のたたみ込みニューラルネットワークの構築の準備に思いのほか時間がかかっている.そのためこれらについては引き続き次年度に研究と計算機実験などを行い,学習データの整備と上記の新たなニューラルネットワークの構築と調整等を行う.そしてそのニューラルネットワークの応用についての研究も行う.なお計算機実験にはMATLABとPythonを併用している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
錯視画像の学習データの作成と整備,より本研究対象に適した新しい着想によるニューラルネットワークの構築に時間がかかっているため,やや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記した本研究対象により適した学習データの作成と整備,新たなニューラルネットワークの構築と調整,そのニューラルネットワークの適用,及びその応用の研究,それにともなう計算機実験などを行う方策である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により対面による錯視画像の評価等及びそれに基づくその後の研究計画に支障が生じ,一部計画を変更して研究を行った.具体的には代替として,「研究実績の概要」に記したような視知覚の数理モデリングに依る錯視画像の学習データの新たなクラスの作成と適用を考案し,ニューラルネットワーク自身もより本研究に適したものにする新たな着想を得て研究を行ってきたが,これらの準備的な研究と作業に思いのほか時間がかかった.そのため新たなクラスの学習データの整備,新たなニューラルネットワークの構築と調整を次年度も引き続き行い,その具体的な適用,そして応用の検討,計算機実験,研究報告用の資料の作成なども次年度に行う必要が生じ,これらの研究と作業を実施するために助成金の次年度使用の必要が生じた.次年度は上に記した研究と作業の遂行のために助成金を使用する計画である.
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