2023 Fiscal Year Annual Research Report
Applications of the study of vision and visual illusions by harmonic analysis methods to machine learning
Project/Area Number |
18K18716
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新井 仁之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10175953)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | フレームレット / 錯視 / かざぐるまフレームレット / 単純かざぐるまフレームレット / 文字列傾斜錯視 / 深層学習 / 調和解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では視覚・錯視の調和解析的な方法による研究をたたみ込みニューラルネットワークに応用し,それを更に錯視の研究に用いる萌芽的な研究を行ってきた.研究期間を通し,特に調和解析の研究で得られた単純かざぐるまフレームレット,かざぐるまフレームレット(新井・新井,2009,2011)を応用したニューラルネットワークができないか等を研究し,幾つかを作成・検討してきた.昨年度までの研究に基づき,最終年度(令和5年度)は次の研究を行った.本研究に関係するこれまでの代表者の研究をまとめなおして検討すると共に,錯視のうち文字列傾斜錯視と浮遊錯視について検討し,特に文字列傾斜錯視について下記のことを行った.なお文字列傾斜錯視とは,2005年頃にネット上に現れたもので,文字を配列し傾いて見えるような錯視である.文字列によっては傾いて見えたり,見えなかったりするが,傾いて見えるものを文字列傾斜錯視という.本年度は与えられた文字列が文字列傾斜錯視になっているかどうかを判定するニューラルネットワークを作成した.このために5文字からなる30000個の文字列傾斜錯視を作成し,5文字からなる傾かない文字列30000個と合わせたデータセットを作成した.このデータセットは本萌芽研究のみならず,今後の研究にも役立つものと考えている.このデータセットのうち,70%を訓練データとし,10%を検証用データ,20%をテストデータとした.この結果,テストデータを98%以上の精度で文字列傾斜錯視か否かを判定できるニューラルネットワークを構築できた.詳細は発表を準備検討中である.この方向の今後の研究課題としては,機械学習による文字列傾斜錯視の生成が考えられる.この方向も一部に含めて,更に様々な視点から,本萌芽研究を基盤の一つとして,2024年度から始まる科研費基盤C(代表者:新井仁之)につなげて研究を行う計画である.
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