2020 Fiscal Year Annual Research Report
Three-dimensional atomic images around light elements for investigating materials functions
Project/Area Number |
18K18738
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
細川 伸也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (30183601)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 3次元原子イメージ / ホログラフィー / 軽元素 / 真空紫外線 / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、物質の原子配列の研究で最も大きな課題は、軽元素のまわりの局所構造を実験的に得ることである。われわれが行ってきた蛍光ホログラフィー法は、特定元素のまわりの局所構造を、特定のモデルを必要としない簡単なデータ処理で3次元原子イメージとして描き出すことのできる優れた特長を持つ。本研究では、蛍光ホログラフィー法を軟X線や真空紫外線に検出領域を広げ、軽元素のまわりの3次元局所原子イメージを構築することを可能にすることを目的とする。 平成30年度には、すでに獲得していた別予算により真空容器を整備するとともに、検出系の具体的な考案、設計を行い、令和元年度には発注して完成させた。完成した真空容器に、同じ別予算で購入しておいた軟X線検出器を接続するとともに、試料周辺の部品を設計し、測定のテストの準備を行った。 令和2年度には、遅れていた湾曲ミラーが納入されたので、装置全体の整備を完了したのち、標準試料を用いて蛍光軟X線や真空紫外線を集光、検出するテストを、九州シンクロトロン光研究センターおよびSPring-8の放射光を用いて行った。その結果、1 keVを超える蛍光軟X線については計画通りに蛍光ホログラフィー測定が可能であることを確認し、Naより原子番号の大きな試料、特にAlやMgを含む試料についての測定を今後行いたいと考えている。またそれ以下のエネルギーの真空紫外線については、さらに集光に工夫が必要であると考えられるので、今後取り組んでいきたい。
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