2021 Fiscal Year Annual Research Report
Attempt to Photo-Excitation of Ultra-Low-Energy Excited Nuclei Th-229
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18K18759
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
菊永 英寿 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (00435645)
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| Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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| Keywords | 核励起 / 核異性体 / Th-229 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
質量数229のトリウム同位体(Th-229)の第一励起状態（Th-229m）はこれまで知られている中でも最も低い励起エネルギー（約7.8 eV）を持つ核異性体である。近年，30年間誰も成功しなかったTh-229mの直接検出に成功したという報告がついになされた。しかしながら、現在までに“原子核時計”構築の条件であるTh-229mの光励起が成功したという報告は未だなされていない。本申請課題ではTh-229gの光励起を試みて，確かなTh-229m検出法によりその存在を確認する。本申請課題はTh-229の光励起実験を行うための真空紫外照射装置の製作を行うとともに，入手が困難な本研究対象であるTh-229を国内に存在するU-233から分離精製して入手することを目的としている。
2020年度までに，約5.5 gのU-233から数MBqのTh-229を分離したが不純物のTh-228の含有量が多く，本研究のTh-229励起実験には不向きであった。そこで本年度は新たにU-232（Th-228の親核種）の含有量が少ないU-233約1.9 gの提供を受け，Th-229の分離を行った。その結果約3.5 MBqのTh-229を新たに入手することができた。しかし，上記2種類のTh-229の化学挙動を調べたところ，Th-229よりずっと多いTh-232が含まれていることが分かった。これは入手したU-233に，U-233を製造するときに用いるTh-232が残留していたためだと考えられる。今後，Th-232を含まないTh-229を得るためには，今回精製したU-233からTh-229の成長を待って分離する必要があることが分かった。前年度までに作成した真空紫外照射装置で照射するための試料作成法についての検討も行っているが化学状態については不明なところがあり，引き続き検討を続けていく必要がある。
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