2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K18764
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 昌英 東京工業大学, 理学院, 教授 (80383511)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
トリチウムによるニュートリノ捕獲を利用して、宇宙背景ニュートリノを観測する実験について考察を行いました。特に、ニュートリノデカップリングや銀河系でのニュートリノクラスタリング等の宇宙論的な効果を含む、各ニュートリノ種毎の正確な捕獲率を評価しました。これらの捕獲率の正確な評価値は二つの点で重要です。一つ目は、これらの評価値が将来的に観測された捕獲率と一致した場合には、評価に用いたニュートリノデカップリングの詳細な過程や暗黒物質の分布が正しいことを示唆するからです。二つ目は、もし評価値と将来的に観測された捕獲率との間にずれが生じた際には、そのずれが、新しいニュートリノの性質または宇宙の非標準的な進化を示唆する可能性がある、という点です。さらに、ディラック型ニュートリノとマヨラナ型ニュートリノでの捕獲率の違いや、ニュートリノの質量階層が通常型と逆階層型での捕獲率の違い、各ニュートリノ種を検出するために必要なエネルギー分解能、放出された電子のスペクトルを介した宇宙ニュートリノのスペクトルの再構築方法について、特に宇宙ニュートリノ背景放射捕獲実験であるPTOLEMY実験を想定して具体的に考察を行いました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
宇宙背景ニュートリノを観測する実験について、その捕獲率を正確に見積もれたので。
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Strategy for Future Research Activity |
ニュートリノの寿命について、宇宙ニュートリノ背景放射の捕獲実験からどのような制限がつけられるかを考察する。
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Causes of Carryover |
COVID-19のために出張が全く出来なくなり、研究打ち合わせや成果発表の機会が奪われたため、次年度に更なる研究の進展とこれらの出張を行う。
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Research Products
(1 results)