2023 Fiscal Year Annual Research Report
diverse galaxies from early formed supermassive black holes
Project/Area Number |
18K18765
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
森川 雅博 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (90192781)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | 超巨大ブラックホール / 銀河・星形成 / 宇宙ジェット・ノット / 磁極反転 / 磁気再結合 / 1/f揺らぎの起源 / 協同現象 / 共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
「最初にできたSMBHが銀河の中心を定義し,自身の周りに銀河を形成していく」という原初SMBHシナリオを提案し,その機構を明らかにしながら検証を進めた.アクシオンなどボゾンが量子凝縮してできたコヒーレントな古典場が崩壊して,局在化したその一部が超巨大ブラックホール(SMBH)を作る過程を解明した.角運動量を失ったバリオンが結局星サイズのブラックホール(BH)を形成する,という普遍的過程と同様に,角運動量を失った暗黒物質が結局SMBHを形成する,という過程も普遍的に成立することが示された.両者とも,乱流に対するコルモゴロフ理論の類似である. 最初に形成したSMBHに付随するジェットは,定常的な構造ではなく,磁場を介して形成された突発構造であることも提案した.つまり単極モーターが静穏に稼働しているのではなく,エネルギーがどんどん蓄積された磁場が,磁極反転を契機に磁気再結合を起こす.これを通して急激にプラズマの運動エネルギーに変換され,間欠的にジェットが構成される.これが普遍的な機構なら,あらゆるジェットはノットを持つ離散構造のはずである.磁極反転は,マクロスピンモデルで記述される確率共鳴(カオス共鳴)であるという普遍性を持っている.これらは,あらゆる天体は磁極反転するという普遍則を主張する準備となった. 上記のSMBH形成シナリオの検証を進めるうち,不思議な性質に気づいた:BHを含む系から来るX線強度時系列に,超長周期の揺らぎがたいてい付随しているのである.これはいわゆる1/f揺らぎと称されるもので,自然界で広く観測されるが,その起源は明らかになっていなかった.検証のために必要なので,我々はまずこの起源を探っていった.そして,集積する振動数の波のうなりが起源であるという振幅変調シナリオを提案した.その具体的機構として,協同,共鳴,赤外発散の少なくとも3種類があることも解明した.
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